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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、3日、豊田通商株式会社及び株式会社ユーラスエナジーホールディングス等が出資するエジプト・アラブ共和国(以下「エジプト」)法人RED SEA WIND ENERGY S.A.E.(以下「RED SEA」)との間で、Ras Ghareb陸上風力発電事業*1の後続となるプロジェクトを対象として、融資金額約240百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*2による貸付契約を締結しました。本融資は、欧州復興開発銀行(以下「EBRD」)、株式会社三井住友銀行、農林中央金庫及びソシエテ・ジェネラル銀行との協調融資により実施するもので、協調融資総額は約501百万米ドルです。民間金融機関の融資部分には株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付されます。EBRD及びJBICは、2022年10月に両機関の協力強化を目的とする業務協力協定を締結しています*3。本プロジェクトは当該協定締結後、両機関による初めての協調案件です。
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本プロジェクトは、RED SEAがエジプトの首都カイロ南東約200kmに位置するスエズ湾沿いの紅海県Ras Ghareb地区において、発電容量約500MWの陸上風力発電所を建設・所有・運営し、完工後25年間にわたりエジプト送電公社(Egyptian Electricity Transmission Company)向けに売電するものです。
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日本政府は、「インフラシステム海外展開戦略2025」(令和4年6月追補版)において、カーボンニュートラル・脱炭素移行への支援として、ホスト国のエネルギー政策に適合し、高度な技術を活用して環境負荷を抑制した質の高いエネルギー・電力インフラに対する金融支援を実施する方針を掲げています。本プロジェクトへの融資はこうした施策に沿うものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期にわたり運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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また、日本政府は2022年8月の第8回アフリカ開発会議(TICAD8)での「チュニス宣言」において、国際開発金融機関との連携を含め、気候適応・緩和のための財源を動員するための官民連携を通じて温室効果ガス(以下「GHG」)の低排出に向けた構造転換とアフリカ各国の異なる事情を反映したグリーン成長を実現することを目的とする日本のアフリカ・グリーン成長イニシアティブ(Green Growth Initiative with Africa (GGA))の推進を表明しています。本プロジェクトは、EBRDとの協調融資を含め、こうした日本政府のアフリカ向け取組方針に合致するものです。
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エジプト政府は、火力発電への依存から脱却すべく、再生可能エネルギー由来の発電設備容量を2030年までに35%(2015年公表の「Egypt's Vision 2030」)、2035年までに42%(2016年決定の「Integrated Sustainable Energy Strategy to 2035」)まで増強する目標を掲げています。また、再生可能エネルギー推進等を通じ2030年までにGHG排出量30%削減目標(2022年6月発表の「Nationally Determined Contribution」)を掲げています。本プロジェクトは、2022年11月に開催されたCOP27においてエジプト政府が掲げたイニシアティブである Nexus of Water-Food-Energy (NWFE)プログラムのEnergy Pillarに該当する事業でもあり、本プロジェクトを通じたエジプト政府のエネルギー移行への貢献が見込まれます。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による脱炭素化に向けた海外インフラ事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
2017年12月4日付プレスリリースをご覧ください。
- *2
プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュフローに限定する融資スキームです。
- *3
2022年10月17日付プレスリリースをご覧ください。