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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、5日、アステラス製薬株式会社(以下「アステラス製薬」)のアメリカ合衆国(以下「米国」)法人Astellas US Holding, Inc.(以下「AUSH」)との間で、融資金額500百万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、民間金融機関との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は約1,911百万米ドル相当です。
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本件は、アステラス製薬が、米国法人IVERIC bio, Inc.(以下「Iveric Bio社」)を買収するために必要な資金(買収総額:約59億米ドル)の一部を融資するものです。
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Iveric Bio社は、眼科領域に特化した治療薬の研究開発を行うバイオ医薬品企業です。アステラス製薬は本買収を通じ、Iveric Bio社が有する地図状委縮*1を伴う加齢黄斑変性*2を対象とする治療薬であるAvacincaptad Pegol等を製品候補群に加えることで、新たな収益の柱にすることを企図しています。また、Iveric Bio社が有する開発ノウハウ、研究プラットフォーム及び営業チームの獲得等を通じて、眼科領域における研究開発力・技術力の向上及び販売力の強化を目指しています。本融資は、こうしたアステラス製薬の海外事業展開を支援するものであり、日本企業による海外でのM&Aに必要な長期資金を供給することで、日本企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、日本企業による海外M&Aを積極的に支援し、その海外事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
網膜の黄斑(形や色を見分ける視細胞が特に密集している部分)の組織が加齢とともに萎縮すること。
- *2
加齢等の事由により、黄斑に出血やむくみが発生することで、視力の低下や視野の欠けが生じ、進行次第では失明の可能性がある病気。