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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、29日、東京電力パワーグリッド株式会社の子会社であるTEPCO Power Grid UK Limited及びロンドンに本社を置くインフラ投資家が運営するファンドである英国法人Equitix Investment Management Limitedが出資する英国法人Triton Knoll OFTO Limited(以下「TK」)との間で、同国Triton Knoll洋上風力発電所向け海底送電事業を対象として、融資金額約259百万ポンド(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三井住友銀行、Societe Generale、Barclays Bank PLC及びAviva Life & Pensions UK Limitedとの協調融資により実施するもので、協調融資総額は約523百万ポンドです。
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本プロジェクトは、TKが、英国リンカンシャーの沖合32kmにおいて、総発電容量857MWの送変電設備を所有・運営し、23年に亘りTriton Knoll洋上風力発電所にて発電される電力をグレートブリテン島まで送電します。
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英国政府は、2019年に気候変動法を改正し、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロにする法定目標を掲げ、再生可能エネルギーの導入を推進しています。本プロジェクトは、こうした同国政府のエネルギー政策に沿うものです。また、本プロジェクトで得られた洋上風力発電所向け送電サービスのノウハウは、今後の我が国や英国以外での事業展開にも活用されることが期待されています。
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日本政府は、「第6次エネルギー基本計画」(2021年10月発表)において、世界的な脱炭素に向けた動きの中で、日本企業が取り組む脱炭素技術の技術開発・社会実装への支援を通じたエネルギー産業の国際競争力の強化を掲げています。また、「インフラシステム海外展開戦略2025」(令和5年6月追補版)において、カーボンニュートラル・脱炭素移行への支援として、ホスト国のエネルギー政策に適合し、高度な技術を活用して環境負荷を抑制した質の高いエネルギー・電力インフラに対する金融支援を実施する方針を掲げています。本プロジェクトへの融資はこうした施策に沿うものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期にわたり運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による脱炭素化に向けた海外インフラ事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュフローに限定する融資スキームです。