- 地域: 中南米
- 資源
- 輸入金融
-
株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、本日、ブラジル連邦共和国(以下「ブラジル」)法人Vale S.A.(以下「VALE」)との間で、融資金額480百万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、民間金融機関との協調融資により実施するもので、協調融資総額は700百万米ドルです。
-
本件は、日本企業がVALEからペレット及びペレットフィード*1を安定的に輸入するために必要な資金を融資するものです。
-
鉄は自動車、建材等の幅広い用途で使用され、日本の産業の根幹をなす金属資源です。国際的な脱炭素の潮流加速に伴い、製鉄プロセスの低・脱炭素化は喫緊の課題であり、本邦鉄鋼メーカーの脱炭素を支援するためには、多様な鉄鋼原料の安定確保が必要不可欠です。本融資は、日本企業によるペレット及びペレットフィードの長期安定的な確保を金融面から支援することを通じて、日本の鉄鋼産業にとって重要な鉱物資源の安定供給に貢献するとともに、将来的には日本企業の海外事業への販売も通じた資源のサプライチェーン強靱化にも資するものです。さらに、持続可能な社会の実現や資源戦略上重要なVALEとの関係強化にも寄与するものです。
-
VALEは、鉄鉱石、ニッケル、銅等の鉱物資源の世界有数のサプライヤーとして長年にわたり日本企業と良好な関係を構築しており、今後も、ブラジル及び第三国における連携を含めて、日本企業と協業する機会が拡大・多様化していくことが期待されます。また、JBICはVALEとのこれまでの緊密な協力・連携関係のより一層の強化を図り、日本企業による鉱物資源の確保及び日本企業による投資・輸出機会の創出にも貢献することを目指しています。
-
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本及び日本企業にとって重要な鉱物資源の確保を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 ペレットフィードは鉄鉱石を破砕・加工処理したもので、直径約0.05mm以下のもの。それをペレットプラントで塊成化するとペレットとなり、高炉や直接還元炉に投入される。