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- 株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、5日、三井石油開発株式会社(以下「MOECO」)が出資するモエコベトナム石油株式会社、モエコ南西ベトナム石油株式会社及びMOECO Southwest Vietnam Pipeline B.V.との間で、それぞれ融資金額約167百万米ドル、161百万米ドル、約87百万米ドル(いずれもJBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、民間金融機関との協調融資により実施するもので、協調融資総額はそれぞれ335百万米ドル、322百万米ドル、175百万米ドルです。
- 本件は、MOECOが、事業パートナーであるベトナム社会主義共和国(以下「ベトナム」)法人ベトナム国営石油ガス会社(Vietnam Oil and Gas Group、PVN)及びタイ王国法人タイ国営石油ガス会社(PTT Exploration and Production Public Company Limited)とともに、ベトナム南西沖合のBlock Bガス田を開発し、パイプラインを敷設の上、ベトナム南西部の火力発電所群に燃料ガスを輸送するために必要な資金を融資するものです。
- 天然ガスは、化石燃料の中で温室効果ガスの排出量が比較的少なく、脱炭素社会やカーボンニュートラルの実現に向けた移行期におけるエネルギーとして注目されています。ベトナム政府も、2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げており、2023年5月にはそれを見据え、「第8次国家電力開発基本計画(PDP8)」を発表しました。PDP8には、石炭火力発電の比率を縮減し、国産ガスまたはLNGを利用した火力発電を移行電源として利用することが記されています。本件は、ガス田開発に関する実績と知見を有するMOECOが事業参画し、ベトナム国産ガスの開発及び発電所までのパイプライン敷設を一体開発するものであり、日本企業の資源開発の支援とともに、ベトナムのエネルギー・トランジションの推進に貢献するものです。
- また、日本政府は2022年1月、日本企業が強みを持つ技術・知見を活かし、エネルギー・トランジションに向けたアジア各国の取り組みを支援し、協力する枠組みとして「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を提唱しました。ベトナムはAZECの重要なパートナー国であり、JBICによる本件に対する支援は、こうした日本政府の方針にも沿うものです。
- JBICは今後も、日本企業による海外における資源開発とともに、世界のエネルギー・トランジションを金融面から支援していきます。