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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、6日、三菱ケミカルグループ株式会社(以下「MCG」)のドイツ連邦共和国法人Mitsubishi Chemical Europe GmbHとの間で貸付契約を締結しました。本融資は、民間金融機関*1との協調融資により実施するものです。
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本件は、MCGが2017年に出資参画したイタリア共和国法人C.P.C SRL(以下「CPC」)を買収*2するために必要な資金の一部を融資するものです。
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CPCは、自動車用炭素繊維強化プラスチック(以下「CFRP*3」)部品の製造・販売を行う自動車部品メーカーであり、同部品の設計、成形、塗装、組立に関する専門技術やノウハウを有しています。CFRPは炭素繊維を樹脂で固めた複合材料で、軽量・高剛性・高強度といった特徴があり、カーボンニュートラル達成に向けて世界の自動車市場においてバッテリーEVの需要が高まる中、車体の軽量化による燃費向上を実現する自動車部品素材として採用が拡大しています。
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MCGは、本株式取得を通じて、CFRPの新たな中間材料の開発等でCPCとの協働を進め、CFRPの自動車部品への適用をさらに加速していくことを目指しています。本融資は、こうしたMCGの海外事業展開を支援するものであり、日本企業による海外でのM&Aに必要な資金を供給することで、日本企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、日本企業による海外M&Aを含む海外事情展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとするシンジケートローン
(参加行は株式会社秋田銀行、株式会社伊予銀行、株式会社SBI新生銀行、株式会社鹿児島銀行、株式会社紀陽銀行、
株式会社京都銀行、株式会社群馬銀行、株式会社京葉銀行、株式会社高知銀行、株式会社滋賀銀行、株式会社七十七銀行、
株式会社十六銀行、株式会社常陽銀行、信金中央金庫、株式会社第四北越銀行、株式会社千葉銀行、株式会社中国銀行、
株式会社鳥取銀行、株式会社南都銀行、株式会社八十二銀行、株式会社百十四銀行、株式会社北國銀行および
株式会社山梨中央銀行)。 - *2
MCGは2024年1月にCPCの買収を完了しました。
- *3
Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略称。