株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、30日、堂本食品株式会社(本社:広島県、代表取締役社長:堂本 高義、以下「堂本食品」)のタイ王国(以下「タイ」)法人T N D Foods Industry Co., Ltd.(以下「TND」)との間で、融資金額35,490千タイ・バーツ(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社伊予銀行との協調融資により実施するもので、協調融資総額は50,700千タイ・バーツです。
本件は、TNDが実施する業務用惣菜および一次加工品の製造・販売事業に必要な資金を融資するものです。
堂本食品は1948年に広島県で設立された食品製造を主業とする中小企業で、惣菜、佃煮、レトルト食品を中心に、素材本来の色合いや味、形を生かしたやわらかいシニア向けのお惣菜シリーズを始めとする、約600品目に及ぶ多彩な食品を製造しています。毎年多数の新商品を開発しており、特に惣菜を常温または冷蔵で長期保存可能にする独自の製造技術は、業界内でも高く評価されています。また、1992年にはタイに現地法人TNDを設立し、日本基準の厳格な品質管理のもと、業務用惣菜の製造を行っています。アジア市場における食品産業の海外展開が拡大している中、TNDは安心・安全で高品質な食品を世界に届けるための海外製造拠点として重要な役割を果たしており、堂本食品はTNDを通じたさらなる事業拡大を図っています。
本融資は、堂本食品のTNDへの設備投資を通じた海外事業展開を支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。また本設備投資により、一次加工プロセスを内製化することで、加工度の高い半製品ニーズへのスピード感を持った対応や、堂本食品が培ってきた安心・安全な商品提供につながることとなり、日本企業による業務用惣菜・調理食品のサプライチェーン強靱化に資するものです。
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、地域金融機関と連携しつつ、こうした現地通貨建て資金ニーズへの対応等を通じ、タイ等の成長市場における中堅・中小企業を含む日本企業の海外事業展開を金融面から支援していきます。