株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、6月27日、株式会社バルカー(以下「バルカー」)のベトナム社会主義共和国(以下「ベトナム」)法人VALQUA VIETNAM CO.,LTD.(以下「バルカーベトナム」)との間で、融資金額1,440百万円(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三井住友銀行および三井住友信託銀行株式会社との協調融資により実施するもので、協調融資総額は2,400百万円相当です。
本件は、バルカーベトナムがベトナムにおいて実施する半導体産業向け高機能シールおよび機能樹脂製品(以下「半導体産業向け製品」)の製造・販売事業に必要な資金を融資するものです。
半導体は、あらゆる製品に使用され、デジタル社会においてサプライチェーンを支える重要な基幹部品であり、その技術開発や製造能力の確保は経済安全保障の観点から重要なテーマとなっています。バルカーは、半導体・化学プラント産業をはじめとする幅広い産業向けに、シールや樹脂成形品等の製造・販売を行うメーカーであり、同社が製造・販売する製品は、半導体製造装置や半導体製造工場等において必要不可欠な部素材の1つとなっています。同社は、半導体市場の拡大を背景に需要が期待される、半導体産業向け製品の生産能力の増強に取り組んでおり、主要製造拠点であるベトナムにおいて工場を増設することで旺盛な需要の取り込みを目指しています。
本融資は、バルカーのベトナムでの海外事業展開への支援を通じて、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。また、同社の半導体産業向け製品が日本の半導体製造装置メーカーおよび日本の半導体製造工場へ安定的に供給されることで、日本の半導体産業のサプライチェーン強靱化にもつながります。
JBICは今後も、日本の公的金融機関として、さまざまな金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の海外事業展開を金融面から支援していきます。