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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、17日、日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)のグループ会社で、物流事業を展開する郵船ロジスティクスグローバルマネジメント株式会社(以下「YLGM」)傘下の英国法人International Logistics Group Limited(以下「ILG」)*1との間で貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三井住友銀行との協調融資により実施するものです。
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本件は、日本郵船グループがILGを通じて、英国でeコマースに関連した物流サービス事業を行うGlobal Freight Solutions Limited(以下「GFS」)など10社を傘下に持つ英国の持株会社Noel Topco Limited(以下「NTL」)を買収するために必要な資金を融資するものです。
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eコマース事業においては、個々人の生活スタイル等に応じて顧客ニーズが多様化・高度化しており、このようなニーズを満たすべく、きめ細やかな物流サービスを提供できる物流バリューチェーンの強靱化が競争力強化において重要になっています。このような中、NTL傘下の主要事業会社であるGFSは、自社プラットフォームを通じ、eコマース小売事業者、フルフィルメント拠点、配送キャリア、最終消費者のバリューチェーンをつなぎ、商品配送・返品に関連する幅広いEnterprise Carrier Management(以下「ECM」)サービスを展開しています。そのサービスは、豊富な配送オプションと高いユーザビリティが特徴であり、eコマース事業において多様化・高度化する顧客ニーズに対応するものです。YLGMは、GFSを通じ、ILGが展開する既存のフルフィルメント事業にGFSの強みであるECMサービスを加えることにより、今後世界的に成長が見込まれるeコマース市場において、強固な事業基盤を構築し、さらなる高付加価値サービスの提供を目指しています。
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本融資は、本買収を通じGFSのECMサービスを取得し自社のバリューチェーンの強靱化によりEC物流事業において一層強固な事業基盤を構築することを目指すYLGMを中心とした日本郵船グループの海外での物流事業の展開強化を支援するものであり、日本企業による海外でのM&Aに必要な長期資金を供給することで、日本企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、日本企業による海外M&Aを積極的に支援し、その海外事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
ILGはeコマース小売事業者向けに商品の受注から配送までを請け負うフルフィルメント事業に特化したYLGMの英国の物流子会社です。