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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、22日、株式会社商船三井(以下「商船三井」)との間で融資金額1,350億円(JBIC分)の貸付契約を締結しました。本融資は、民間金融機関*1との協調融資により実施するもので、協調融資総額は2,500億円です。
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本件は、商船三井がオランダ王国法人LBC Tank Terminals Group Holding Netherlands Coöperatief U.A.(以下「LBC社」)を買収*2するために必要な資金の一部を融資するものです。
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タンクターミナル事業は、経済活動に重要な役割を果たす港湾事業の一部になります。被買収企業であるLBC社は、化学産業の集積地である欧州および米国湾岸地域でケミカルタンクターミナルを運営する業界大手の企業です。買収企業である商船三井は、グループにおけるケミカルタンカー事業で世界最大級の船隊規模を有し、またISOタンクコンテナによるケミカル製品の国際物流事業も展開しています。今般、LBC社買収を通じて、既存事業であるケミカルタンカーによる海上輸送、タンクコンテナによる小口の海上・陸上輸送に加えて、ケミカル製品の陸上における保管機能を獲得します。これにより、商船三井グループはケミカル製品のサプライチェーン全体をカバーする体制を構築することができ、顧客の多様な輸送ニーズに対して、より柔軟かつ高付加価値なサービスを提供することが可能となることから、ケミカルロジスティクスの安定化に寄与するものです。
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本融資は、こうした商船三井の海外でのM&Aを金融面から支援することを通じて、日本の海運事業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。加えて、脱炭素社会の実現に向け、次世代エネルギー・液化CO2等の分野における輸送需要拡大が見込まれる中、日本政府が定める「エネルギー基本計画」では、同分野におけるサプライチェーンの構築が重要視されています。今般、商船三井は、LBC社の買収を通じてビジネス領域を陸上貯蔵に拡大し、次世代エネルギー・液化CO2等の輸送から貯蔵までの本格的なビジネス展開を視野に入れていることから、本融資は、脱炭素社会の実現に寄与することも期待されます。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、民間金融機関と連携しつつ、日本企業のM&Aを含む海外事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社SMBC信託銀行、株式会社山陰合同銀行、株式会社熊本銀行、株式会社山形銀行、株式会社青森みちのく銀行、株式会社秋田銀行、株式会社岩手銀行、株式会社佐賀銀行、株式会社東和銀行、株式会社百五銀行、株式会社武蔵野銀行および株式会社長崎銀行等。
- *2
商船三井は2025年6月30日にLBC社の買収を完了しました。





