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京都発のプリント配線板メーカー。信頼関係を力に、グローバルな生産・供給体制を構築

わが社のグローバル展開 株式会社京写

IT化・自動化で最新鋭の機械を備えたベトナム工場が本格稼働を開始。グローバルニッチトップメーカーを目指し、需要の変化に迅速に対応、いち早く着手した海外進出を加速していく。

京都発のプリント配線板メーカー。信頼関係を力に、グローバルな生産・供給体制を構築の画像 京都発のプリント配線板メーカー。信頼関係を力に、グローバルな生産・供給体制を構築の画像

株式会社京写/代表取締役社長
児嶋一登 さん 1996年入社。米国、メキシコの子会社社長を経て、2009年に社長に就任。常にグローバルな視野を成長戦略として持つ。社内でのコミュニケーションを大切にし、頻繁に工場を回り、社員からの声に耳を傾ける

伝統工芸の印刷技術を生かす。白物家電向けに事業転換

テレビやエアコンなどの家電からパソコン・スマホ、自動車・飛行機まで。プリント配線板は多くの電子部品を搭載し電子回路を構成する基板であり、あらゆる身近な電気製品に欠かせない。

プリント配線板の中でも、片面のみに電子回路を形成した片面プリント配線板で、世界トップの生産量を誇るのが、株式会社京写だ。1951年に京友禅の捺染用(布に模様をプリントする染め方)スクリーン型メーカーとして発足。繊維産業で培った製造技術を生かし、67年にプリント配線板の製造開発に参入した。

現在は主力のプリント配線板事業に加え、電子部品実装、実装搬送治具の分野にも進出している。京都本社で見せてもらったそのプリント配線板は、美しい模様のごとく構成され、まるで繊細な伝統工芸だ。

片面配線板で世界トップの実力(写真は京都の本社工場)の画像

片面配線板で世界トップの実力(写真は京都の本社工場)

「創業者が海外視察をした際に、染色技術を使ってプリント配線板を製造する企業を知ったのがきっかけ。日本では繊維産業に陰りが見えるなか、白物家電が売れていた時代に『自分たちも参入しよう』と決めたのです」。そう語るのは現在、三代目の代表取締役を務める児嶋一登社長。

「プリント配線板と言っても製品の種類はさまざま。付加価値の高い製品を作るには設備投資も必要で、相当な体力がいる。そこで、最も基本的な製品の片面プリント配線板に注力することにしました」

徹底した品質管理で一つ一つの工程を丁寧に確認しながら作業(京都の本社工場)の画像

徹底した品質管理で一つ一つの工程を丁寧に確認しながら作業(京都の本社工場)

他社に先駆け海外進出。失敗を糧にシフトチェンジも実行

京都に加えて、72年には熊本にも生産拠点を置き、事業の足場を固めていった。当時、ブラウン管テレビなど白物家電向けのプリント配線板を生産していたが、国内の家電メーカーが次々と海外に工場を移転し始める。海外需要の伸びを見越し、競合他社に先駆けて海外進出を決断した。

初の海外進出は、93年の香港での合弁会社の設立だ。「現会長で当時の二代目社長が中国に視察に行った際、飛行機で偶然隣り合わせた人との縁で良き提携先に巡り合えた」という幸運を、児嶋社長は豪快に笑う。その後、中国・広州、インドネシアに生産拠点を拡大した。

しかし、98年のメキシコ進出では苦い経験もした。薄型テレビの普及に伴う外部環境の変化により、プリント配線板の受注が減少、現地の人件費の高騰も打撃となった。これを機に、注力する製品分野を安定性が高い自動車や、成長性のある環境に配慮した家電向けに決定。これらの製品向けに需要が増加する両面プリント配線板の製造・輸出拠点として自動車部品メーカーの進出が進むベトナムに白羽の矢が立った。

祖父である創業者の起業から現在にいたる事業の展開を笑顔で気さくに語る代表取締役社長の児嶋一登さんの画像

祖父である創業者の起業から現在にいたる事業の展開を笑顔で気さくに語る代表取締役社長の児嶋一登さん

安い人件費の時代ではない。最先端の生産拠点が本格稼働へ

主に自動車向けの両面プリント配線板を生産するベトナム工場は2020年3月に完成した。最新鋭の機械がずらりと並び、ロボットが稼働する最先端の生産拠点だ。「人件費が安いから海外へという時代ではもうありません。ベトナムもすぐに人件費が高くなるでしょう。工場の IT 化、自動化は必須です」

中国での売上に偏らないように、リスク分散する観点もベトナム進出への狙いの一つ。米国向けの輸出に限られるメキシコと比べて、ベトナムには急成長する約1億人の市場としてではなく、輸出拠点という魅力もあった。今後、ベトナムを含む東南アジアの地域別売上高を、日本、中国と同規模に成長させていく、そんな「将来を見据えた判断」がベトナム新工場設立の背景だ。

太平洋をまたいで、中国・東南アジア、北米・中南米と世界各地に生産・販売体制を築く。ベトナム工場(写真右、外観)では、ITによる自動化管理が行われている(写真左、システム制御室)の画像 太平洋をまたいで、中国・東南アジア、北米・中南米と世界各地に生産・販売体制を築く。ベトナム工場(写真右、外観)では、ITによる自動化管理が行われている(写真左、システム制御室)の画像

太平洋をまたいで、中国・東南アジア、北米・中南米と世界各地に生産・販売体制を築く。ベトナム工場(写真右、外観)では、ITによる自動化管理が行われている(写真左、システム制御室)

「工場立ち上げがコロナ禍に直面し、すべてストップ。自動車部品メーカーへの納品も迫る中、ベトナム行きのチャーター便が飛ぶと聞き、日本から社員が現地に入り、機械メーカーとスマホ片手にやりとりして、なんとか稼働にこぎつけました」。150m の生産ラインで効率的な生産体制を整備。その機能は日本の工場を上回る。23年7月からは2ライン目も本格稼働し、フル生産体制が実現。これにはJBICからの融資も活用した。

日本では通常外注する作業も、ベトナムではこの工場で一貫して行う。サプライチェーンが構築されておらず、全工程を自社で行う必要があるからだが、一貫生産を望む部品メーカーには好評だ。設備の整った日系の工業団地に設立できたことに加えて、日本で学んだ元技能実習生の日本語能力がある人材が集まったことも強みだ。

グローバルな生産・供給体制の構築に向け邁進する当社の根底には、児嶋社長が掲げるビジョン「一流になる」とスローガン「Build Trust(信頼関係の構築)」がある。「企業の成長に欠かせないのは仕入れ先、顧客、そして社員同士の信頼関係。また、一流を目指して自ら向上してこそ初めて信頼関係が生じます」。この姿勢には国内も海外も違いはない。その先に目標とするグローバルニッチトップメーカーへの道が続く。

最先端設備を取り揃え、更なる事業領域の拡張と発展を狙う(ベトナム工場)の画像

最先端設備を取り揃え、更なる事業領域の拡張と発展を狙う(ベトナム工場)

株式会社京写

1951年 創業
1967年 プリント配線板の製造開発に着手
1993年 現京写香港設立
1994年 中国・広州市に現京写広州設立
現京写インドネシア設立
2010年 京写タイ設立
2019年 京写ベトナム設立
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