世界の「現場」から ブエノスアイレス駐在員事務所
世界中で活躍する各地の駐在員から、現地での仕事や暮らしについて生の声を聞く「世界の『現場』から」。南米のパリと呼ばれるアルゼンチンの首都、ブエノスアイレス駐在員事務所で働く塚本 遼に現地の様子を聞いた。
チリの銅鉱山を視察。「現場視察は融資先の熱意や期待を肌で感じる貴重な機会。その後の情報の捉え方や発信の仕方が変わります」と塚本は語る
JBIC ブエノスアイレス駐在員事務所
駐在員 塚本 遼 2022年入行。調査部で日本企業の海外展開や地政学動向の調査などに従事。3カ月間ニューデリー駐在員事務所にてトレーニーも経験。25年1月より現職
ブエノスアイレスはどんな街ですか?
アルゼンチンの首都で、南米のパリと呼ばれています。一部を除き治安は比較的良好です。歴史的に、イタリア系・スペイン系の移民が農業を筆頭とする国の経済発展に貢献しました。特に牛肉やワインが有名で、家族や友人と国民食のアサード(牛肉の炭火焼き)やカフェを楽しむ食文化があります。
どんな仕事を担当していますか?
ブエノスアイレス駐在員事務所は、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、パラグアイの4カ国を管轄しています。現地政府や国際機関、日系企業との関係構築が主な仕事です。
近年は資源関連の案件発掘が顕著です。アルゼンチンでは大型投資奨励制度(RIGI)の導入や氷河法の改正により銅鉱山開発が注目されるほか、石油・ガス、リチウムなどの資源分野で外資誘致が加速しています。
チリは資源大国であり、2026年3月に就任したホセ・アントニオ・カスト大統領のもと、法人税率の段階的引き下げや外資誘致に資する税制改革など、投資環境の好転が期待されます。
米国との連携強化など新政権の立場を踏まえた案件への影響に注目しており、動向を発信しています。そのため、事務所として2、3カ月に1度はチリに出張しています。
日本企業に知ってほしい情報はありますか?
アルゼンチンでは、23年に発足したハビエル・ミレイ政権が長年の経済停滞とハイパーインフレからの脱却を目指し、急進的な構造改革を断行しています。規制や政治的なリスクによる参入ハードルの高さは依然としてありますが、投資環境が少しずつ好転しつつあると考えています。
当事務所管轄国では、アルゼンチンの中間選挙やチリの大統領選挙など、25年は大きな政治的イベントが続きました。今後の動向を注目していただきたいです。
休日はどのように過ごしていますか?
長期休暇は旅行に出掛けています。大自然が広がるパタゴニア地方、世界遺産のイグアスの滝など、魅力的な観光地がたくさんあります。
普段の休日は、他社の駐在員と交流したり、日系人コミュニティーのバレーボールチームで汗を流したりします。
今後のキャリアパスを教えてください。
学生時代から海外の開発問題と社会への影響に関心がありました。
今回、政治的動向が投資環境を大きく左右する国に駐在できたことを非常に幸運に思っています。この経験を生かし、政策とビジネスをつなぐJBICならではの業務に携わっていきたいです。
左:政治の象徴である五月広場に面した大統領府「カサ・ロサダ」/右:フィッツ・ロイの山容(パタゴニア)





