


国際協力銀行(JBIC)は、2010年8月3日、インドネシアのジャカルタにおいて、インドネシア政府との間で第1回年次会合を実施しました。
本件は、2010年2月15日に同国政府との間で、電力開発分野や環境ビジネス分野等、今後の重点取組分野や、JBICが支援する個別プロジェクトに関する緊要性の高い諸課題等を包括的に協議する財務政策対話の枠組発足について合意後、初めて実施した年次会合となります。
JBICからは、経営責任者の渡辺他、関係者が本会議に参加し、同国政府からは、アニー財務副大臣、ルキタ国家開発企画庁(BAPPENAS)副長官他、主要関連省庁関係者が出席の上、電力開発分野とマクロ経済分析を中心として、これまでの分科会での議論の報告が行われた他、環境に配慮した経済成長に向けた包括的協力に関して協議を実施しました。
本会議では、特に、同国の経済成長による旺盛な電力需要に対し、環境に配慮しながらいかに電力開発を進めていくかという課題に対して、(1)同国の豊富な国内資源の有効活用、(2)効率的な電力開発のための燃料輸送から発電、送電までのサプライチェーン全体での問題解決、(3)低環境負荷の技術導入、の三点を有力なアプローチとして議論しました。
こういった視点に加え、内外の民間投資促進のための制度枠組みについての改善検討も含め、今後分科会にて、主にクリーンコール、再生可能エネルギー及び天然ガスの開発・活用による電源開発促進策につき議論を継続していく旨合意しました。
また、この他、これまでの分科会での議論を通じて得られたリスクシェアリングに関する共通理解を基に、将来IPPプロジェクトを実施していくための方向性を確認したほか、環境配慮型プロジェクト推進のための新たな資金供給メカニズム構築に向け、JBICは、同国のインフラ金融公社であるPT SARANA MULTI INFRASTRUKTUR(PERSERO)と覚書を締結しました。*1
JBICは、今回の年次会合にて合意された事項を踏まえ、同国の経済成長と環境保全の両立に貢献すると同時に、日本企業の技術・知見が十分に活用されることを企図しつつ、今後上記のテーマを中心に主要関連省庁と具体的な事業の円滑な実施に向けて協議を深めていきます。