株式会社国際協力銀行(JBIC)の菊池洋常務取締役は、2026年3月31日に開催された「新日馬産業協力セミナー」に登壇しました。このセミナーは、高市早苗政権下で設立された「日本成長戦略会議」が示す17の戦略分野も念頭に、日馬間の産業協力の強化を図るため、在マレーシア日本大使館が主催したものです。
同フォーラムでは、四⽅敬之駐マレーシア日本国特命全権大使が開会挨拶を行ったほか、Sim Tze Tzinマレーシア投資貿易産業省(MITI)副大臣、YM Tengku Datuk Seri Utama Zafrul Tengku Abdul Aziz首相府上級政治顧問/マレーシア投資開発庁(MIDA)会長等の挨拶を経て、日馬の産学官の要人が登壇し、(1)経済安全保障・サプライチェーン、(2)資源・エネルギー安全保障/GX(グリーントランスフォーメーション)、(3)AI・半導体をテーマに基調講演やパネルディスカッションを行いました。
菊池常務取締役は(1)経済安全保障・サプライチェーンの回に登壇し、現在の中東情勢が企業活動および国家に与える影響について見解を述べました。日本は、天然ガスについては調達先多角化を進めた結果として中東依存度が10%程度に留まる一方、原油輸入においては依然として中東依存度が90%超と高水準である点を指摘し、今後は原油についても供給源の多様化を進めることの必要性を強調しました。また、日本企業はサプライチェーンの寸断を現実的なリスクとして認識しており、サプライチェーン再構築にあたっては、有事の際でも操業を継続できる分散型の体制構築がより重要になるとの認識を示しました。あわせて、マレーシアのエネルギー・財政状況についても言及し、原油の中東依存度は比較的高いものの、天然ガスを含めたエネルギーの純輸出国であることや、健全な財政状況から政策対応余地がある点を挙げ、相対的に優位なポジションにあるとの見方を示しました。
さらに、日馬間の産業協力におけるJBICの役割については、マレーシアが長期的視点に立って産業振興政策を発表する中、この実現に際してはJBICの強みである長期ファイナンスが貢献できると述べました。加えて、JBICが直接の投融資のみならず、プロジェクトの構想・初期段階から関与し、所在国政府・企業に対するソリューション提供や日本企業のビジネス機会創出をしている点を説明しました。具体例として、2024年12月に国営電力公社Tenaga Nasional Berhadと共催した国内・国際送電網の整備・強化に関するワークショップや、2026年2月に国営石油会社Petroliam Nasional Berhad(PETRONAS)と共催したCO2貯留(CCS)に関するワークショップを紹介しました。
JBICは、日本の公的金融機関として、ホスト国政府・産業界を交えた政策対話、案件形成や調査等の活動を通じて、各国・地域に関する知見を日々蓄積しています。こうした知見を生かし、今後も日本企業の海外事業展開および投資環境改善に貢献すべく、積極的に取り組んでまいります。





