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2011年11月7日
- 国際協力銀行(JBIC、経営責任者:渡辺博史)*1は、4日、電源開発株式会社(以下「電源開発」)が出資するタイ王国法人Gulf JP NS Company Limited(略称:GNS)との間で、ノンセン・ガス焚複合火力発電所プロジェクトを対象として、アジア開発銀行(Asian Development Bank)、株式会社みずほコーポレート銀行、サイアムコマーシャル銀行(Siam Commercial Bank Public Company Limited)及びカシコン銀行(KASIKORNBANK Public Company Limited)との協調融資により、協調融資総額約1,184百万米ドル相当限度のプロジェクトファイナンス*2・ベースの貸付契約を締結しました。
- 本プロジェクトは、GNSが、同国サラブリ県ノンセン郡において、発電容量1,600MW(800MW×2系列)のガス焚複合火力発電所を建設・操業し、タイ電力公社(EGAT)に対して25年間に亘り売電する事業です。
- タイの電源開発計画によると、同国の電力需要は2030年まで年平均4.19%で増加し続ける見通しであり、これに対応するべく発電設備容量を2010年の31,349MWから2030年には65,547MWまで増強する計画が立てられているところ、同計画の中でも、本プロジェクトは重要な位置を占めています。
- 本プロジェクトは、電源開発が中心となり、三菱重工業株式会社の最新型設備を使用して建設・管理・運営を一貫して行うパッケージ型インフラ海外展開プロジェクトです。また、タイに進出している多くの日系企業に対する電力の安定供給の観点からも有意義なプロジェクトであり、タイ王国のインフラ基盤整備に寄与するとともに、日本企業の海外における経済活動にも幅広く貢献するものです。
- JBICは、本年4月に「JBICインフラ・投資促進ファシリティ(E-FACE)」*3を創設し、民間資金の積極的な動員を図りつつ、パッケージ型インフラ海外展開プロジェクトをはじめとする戦略的プロジェクトに対する支援を強化することを表明しました。JBICは、E-FACEの下での取組みの一環として、本プロジェクトを支援するものです。
- タイを含むアジア諸国では、急速な経済成長が続く中、インフラ整備需要の増大が見込まれ、日本にとって大きなビジネスチャンスとなっています。このような中、JBICは今後も多様な金融ツールを活かした案件組成、リスクテイク機能等を通じ、日本企業による海外インフラ事業への進出促進に貢献し、国際競争力の維持・向上を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 国際協力銀行(JBIC)は、株式会社日本政策金融公庫(総裁:安居祥策)の国際部門です。
- *2 プロジェクトファイナンスとは、主にプロジェクトのキャッシュフローを担保とする融資スキームのことです。
- *3 2011年4月1日付プレスリリースをご参照下さい。