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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、22日、「海外展開支援融資ファシリティ」*1の一環として、アラブ首長国連邦(以下「UAE」)法人Al Gharbia Pipe Company LLC(以下「AGPC」)との間で、融資金額111百万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行及びNational Bank of Abu Dhabi PJSCとの協調融資によるものであり、協調融資総額は185百万米ドルです。
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本件は、JFEスチール株式会社(以下「JFEスチール」)、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社(以下「伊藤忠丸紅鉄鋼」)がUAEアブダビ首長国(以下「アブダビ」)法人General Holding Corporation PJSC/SENAAT*2(以下「SENAAT」)と共に設立した合弁会社AGPCがUAEアブダビにおいて実施する、原油・天然ガス輸送パイプライン用大径鋼管の製造・販売事業(生産能力最大24万トン/年)に必要な資金を融資するものです。
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UAEを含む中東湾岸諸国は世界屈指の石油及び天然ガスの生産地域であり、その輸送に使用されるパイプライン用の高品質鋼管の安定的な需要が見込まれています。JFEスチール及び伊藤忠丸紅鉄鋼は本合弁事業を通じてパイプライン用の高品質鋼管の現地生産化を行うことで、中東湾岸地域における顧客ニーズ対応とコスト競争力の強化を目指しています。本融資は、このようなJFEスチール及び伊藤忠丸紅鉄鋼の海外事業展開への支援を通じて、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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UAEは、日本にとって過去30年以上に亘る安定的な原油輸入先となっていることに加え、アブダビは利権契約に基づく外資の参入を認めているなど、我が国のエネルギー安全保障上極めて重要な国です。本プロジェクトは、アブダビにとって初の高品質鋼管国産化を実現するものであり、SENAATは本合弁事業を通じてアブダビの鉄鋼産業の地位を強化することを目的にしています。日本企業の事業参画によりアブダビの鉄鋼生産技術向上を通じて、アブダビにおける資源分野以外の産業多角化に繋がる事が期待される中、本融資は日本とアブダビとの更なる重層的関係の構築にも資するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の海外事業展開を及び両国間の緊密な経済関係の一層の深化・発展を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 2014年7月1日付お知らせをご参照下さい。
- *2 SENNATはアブダビ政府が100%出資するUAE国内最大規模の産業分野でのコングロマリットです。