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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:近藤 章)は、19日、メキシコ合衆国(以下「メキシコ」)法人メキシコ石油公社(Petróleos Mexicanos)(以下「PEMEX」)が日本で発行する円建て外債(サムライ債)に対する保証に関する諸契約に調印しました。本債券は、総額800億円の私募債形式の円建て債券であり、本債券の発行には、アレンジャーとして、みずほ証券株式会社、SMBC日興証券株式会社および三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、債券の管理者として株式会社みずほ銀行が参画しています。
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本件は、JBICの「サムライ債発行支援ファシリティ(Guarantee and Acquisition toward Tokyo market Enhancement(GATE))」*1 に基づき保証を行うものです。今回、JBICの保証による信用補完を通じてPEMEXの東京市場でのサムライ債発行を支援することは、日本の投資家に幅広い投資機会を提供し、我が国資本市場の競争力の維持・向上に貢献するものです。また、PEMEXにとっても資金調達先の多様化に繋がるものです。
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我が国は原油調達の約8割を中東に依存している中、安定的な原油調達のためには原油調達先の多角化が重要な課題となっています。平成27年7月「総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 報告書」においても、アジア向け輸出の強化を掲げるメキシコからの原油輸入の重要性が謳われています。また、メキシコは2013年の合衆国憲法改正を通じたエネルギー改革により、75年間独占状態にあった石油の上流権益を外資に開放し、外資と共同で原油生産量の底上げを目指しています。このような中、我が国企業による権益取得、さらには製油所等中・下流ビジネスや天然ガス・LNGビジネス等、資源・エネルギー分野全般において我が国企業の商機が拡大しています。
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JBICはこれまで、PEMEXとの間での長期的な協力関係を構築及び発展させることを目的とした覚書の締結*2 や、メキシコ政府との間での政策対話年次会合等を通じ、資源供給国であるメキシコとの間で重層的関係を構築してきています。本件はPEMEX及びメキシコとの関係を一層強化すると共に、メキシコの資源・エネルギー分野における我が国企業の商機獲得の側面支援に貢献することが期待されます。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用しながら、日本及び国際経済社会の健全な発展を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 2010年4月15日付プレスリリースをご参照ください。
- *2 2014年7月28日付プレスリリースをご参照ください。