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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:近藤 章)は、わが国製造業企業の海外事業展開の動向に関するアンケート調査を実施し、本日結果を発表しました。今回の調査は、本年7月に調査票を発送し、7月から9月にかけて回収したものです(対象企業数1,012社、有効回答数637社、有効回答率62.9%)。本調査は、海外事業に実績のある日本の製造業企業の海外事業展開の現況や課題、今後の展望を把握する目的で1989年から実施しており、今回で28回目となります。
(報告書全文:わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告)
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本年度調査では、「中期的海外事業展開見通し」や「海外事業展開実績評価」、「有望事業展開先国・地域」などに加え、個別テーマとして、「サプライチェーンの在り方と生産・研究開発拠点の役割」、「グローバル市場における競合状況」等についても調査を行いました。
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本調査結果の要旨は以下の通りです。
(1)海外生産比率と事業展開見通し
海外生産比率、海外売上高比率については引き続き上昇傾向にあり、それぞれ35.6%、39.6%となった。また、事業展開見通しについては、海外事業の強化・拡大姿勢は76.6%で、前年の80.5%よりやや低下したものの引き続き高い水準にある。国内事業については、強化・拡大姿勢が34.0%と6年ぶりに30%台を回復した。
(2)中期的有望国
インドが3年連続で第1位となり、回答企業に占める同国の得票率は5割弱へ再び上昇した。インドの有望理由として最も多く挙げられた項目は、現地マーケットの成長性。中国が第2位を維持し、得票率は4割強に上昇した。前回、中国と同率第2位のインドネシアは第3位に後退。
(3)サプライチェーンの在り方
①サプライチェーンの課題については、為替リスクの影響を挙げる回答が約6割と最も高かった。このほか、サプライヤーの数やクロスボーダー取引が増加したため本社で十分管理できていないこと、サプライヤーからの供給途絶のリスクを十分に把握できていないことを挙げる回答が各々2割を超えた。
②調達先検討に際して、輸送コスト(関税を含む)、輸送時間(通関に要する時間を含む)を考慮した企業の過半が、TPP等のFTA・EPAの有無を考慮したと回答した。供給途絶リスクへの対応としては、調達先を複数に分散させている、調達先の調達先を把握する、在庫を十分に保有するなどの声が聞かれた。
(4)生産拠点と研究開発拠点の役割
①日本の生産拠点は、人材育成・技能伝承、生産工程改善・伝播の役割を担うとの回答が6割を超えたのに対し、他地域の生産拠点は、現地ニーズに合った商品の生産を行う役割への期待が高かった。
②研究開発拠点の中期的予算については、日本を増加させるという回答が最も多かったが、自動車については、欧米における増加姿勢が日本を上回った。また、強化したい研究開発分野としては、日本は革新的な製品の研究開発を担うとの回答が7割を超えたのに対し、他地域は現地ニーズに合った製品の研究開発を強化する声が大きかった。
(5)グローバル市場の競合状況
各販売市場における自社の競合先については、ASEAN5市場では日系企業、インド・北米・EU15・ブラジル市場においては欧米系企業、中国市場では中国企業という結果となった。
競争に打ち克つために中期的に重視する点としては、価格競争力強化、現地ニーズに合った商品の開発・生産、現地人材の質の向上、ブランド力強化等の回答が多かった。
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JBICでは、今回の調査結果を踏まえつつ、国際的な競争にさらされている日本企業の海外事業展開支援及び各国・地域の投資環境改善に向けた現地政府当局や関係機関との対話などを引き続き行っていきます。
別紙1:(抜粋)中期的(今後3年程度)有望事業展開先国・地域
別紙2:(抜粋)海外生産比率、海外売上高比率および海外収益比率の推移