- 地域: 中南米
- インフラ
- 輸出金融
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:近藤 章)は、19日、アルゼンチン共和国(以下「アルゼンチン」)政府との間で、バイヤーズ・クレジット(輸出金融)の限度貸付契約を締結しました。本融資は、ドイツ銀行東京支店との協調融資によるもので、同行の融資部分に対しては、株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付保されます。また、本融資は、JBICが2016年10月1日より開始した「特別業務」*1として実施する案件です。
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本件は、アルゼンチン国営鉄道管理公団(Administración de Infraestructuras Ferroviárias Sociedad del Estado)がブエノスアイレス市近郊地上8路線を対象に実施する自動列車停止システム設置案件にあたり、丸紅株式会社より信号設備一式を購入するための資金を融資するものです。当該信号設備については日本信号株式会社が製造します。
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アルゼンチンでは2015年12月に誕生したマクリ政権が、経済改革を推進し、国際金融界への復帰を果たすと共にインフラ整備計画を発表し、鉄道セクターを含むインフラセクターへの外資導入、設備更新等が検討されています。それに対し日本企業はアルゼンチンのインフラ分野における輸出機会獲得を目指しています。かかる中、本件は、質の高いインフラ導入により鉄道セクターの安全性向上に寄与すると共に、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。また、本件は、本年5月19日に実施された日・アルゼンチン首脳会談においても言及されており、本件の実現が両国関係の一層の強化に繋がるものと期待されます。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業によるインフラ関連設備輸出や海外事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 特別業務の開始については、2016年10月3日付お知らせをご参照ください。