- 地域: アジア
- 一般機械・設備
- 輸出金融
- プロジェクトファイナンス
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:前田 匡史)は、1日、マレーシア法人Pengerang Refining Company Sdn. Bhd. (以下「PRC」)との間で、融資金額900百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1・ベースのバイヤーズ・クレジット(輸出金融)*2の貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社みずほ銀行(幹事行)、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、シティバンク、エヌ・エイ東京支店との協調融資(協調融資総額1,500百万米ドル)であり、民間金融機関の融資部分には株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付保されます。また、本プロジェクトは、他国輸出信用機関も参加する国際協調融資案件です。
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本プロジェクトは、マレーシア国営石油会社Petroliam Nasional Berhad(ペトロナス)及びサウジアラビア王国(以下「サウジアラビア」)国営石油会社Saudi Arabian Oil Company(サウジアラムコ)が間接出資するPRC等が、マレーシアジョホール州南東部Pengerang地区にて、石油精製能力日量30万バレルの製油所とエチレン、プロピレン等(合計年産330万トン)の石油化学プラントから成る同国最大の複合コンプレックス(RAPID)を建設・操業するものです。このうち本融資は、PRCが東洋エンジニアリング株式会社からスチーム・クラッカー・コンプレックス*3を購入するための資金に充てられます。
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マレーシアでは石油精製・石油化学分野における多数の設備投資が見込まれているところ、JBICが日本企業の輸出を支援する本件は、同国の石油精製・石油化学分野における日本企業のビジネス機会の創出を通じ、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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マレーシアは、国家5ヶ年計画である「第11次マレーシア計画」の中で、石油・ガス分野において中核となる重要な国家プロジェクトとして本プロジェクトを位置づけています。また、本プロジェクトは、サウジアラビアの経済改革計画「ビジョン2030」の下、戦略的に非常に重要なプロジェクトに位置付けられるとともに、サウジアラムコのアジアを含む世界的な石油精製・石油化学事業への長期的戦略投資を拡大していくことに資するものです。このように、本プロジェクトは、こうした両国政府の経済・産業政策にも合致するものです。
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JBICは、プロジェクトファイナンスの豊富な経験・知見を活かし、他国の公的機関と共に案件検討の初期から参画し、円滑なファイナンス組成に貢献しています。今後も、日本の公的金融機関として、他国輸出信用機関とも連携しつつ、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業のプラント機器等の輸出や海外事業展開を金融面から支援していきます。

注釈
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