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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、16日、双日株式会社及び株式会社キューデン・インターナショナル等が出資するウズベキスタン共和国(以下「ウズベキスタン」)法人ENERSOK Foreign Enterprise LLC(以下「ENERSOK」)との間で、天然ガス焚複合火力発電事業を対象として、融資金額約393百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、ソシエテジェネラル銀行及び国際金融公社(以下「IFC」)との協調融資により実施するもので、協調融資総額は約805百万米ドルです。民間金融機関の融資部分には株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付されます。IFC及びJBICは、2020年6月に両機関の協力強化を目的とする業務協力協定を締結しています*2。本プロジェクトは当該協定締結後、両機関による2件目の協調案件です。
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本プロジェクトは、ENERSOKが、ウズベキスタンのシルダリア州において、発電容量約1,600MWの天然ガス焚複合火力発電所を建設・所有・運営(BOOT)し、完工後25年に亘りウズベキスタン国営電力公社(JSC National Electricity Grid of Uzbekistan
)に売電するものです。
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日本政府は、「インフラシステム海外展開戦略2025」(令和4年6月追補版)において、カーボンニュートラル・脱炭素移行への支援として、ホスト国のエネルギー政策に適合し、高度な技術を活用して環境負荷を抑制した質の高いエネルギー・電力インフラに対する金融支援を実施する方針を掲げています。本プロジェクトへの融資はこうした施策に沿うものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期にわたり運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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ウズベキスタン政府は、2050年までの電力セクターのカーボンニュートラルに向けたロードマップ(A Carbon Neutral Electricity Sector in Uzbekistan)において高効率かつ低炭素発電インフラの増強を掲げ、既存のガス火力発電のリプレース及び近代化に優先的に取り組んでいます。本プロジェクトは、旧ソ連時代に建設し老朽化した既設ガス火力発電を、最新鋭の高効率コンバインドサイクル発電へと代替するものであり、本プロジェクトを支援することは、同国政府のエネルギー政策にも沿うものです。なお、日本とウズベキスタンは2022年に外交関係樹立30周年を迎えています。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による脱炭素化に向けた海外インフラ事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュフローに限定する融資スキームです。
- *2
2020年6月5日付プレスリリースをご覧ください。