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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、21日、関西電力株式会社等が出資する英国法人NEUCONNECT BRITAIN LTD、ドイツ連邦共和国(以下「ドイツ」)法人NEUCONNECT DEUTSCHLAND GMBH & CO. KG及びオランダ王国法人NEUCONNECT NETHERLANDS B.V.との間で、英独NeuConnect国際連系線事業を対象として、融資金額約270百万英ポンド及び約156百万ユーロ(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結しました。本融資は、欧州投資銀行、株式会社三井住友銀行及び株式会社みずほ銀行等との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は約1,069百万英ポンド及び約910百万ユーロです。
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本プロジェクトは、英国東部とドイツ北部を結ぶ総延長約720km、送電容量1,400MWの高圧直流連系送電システムを建設し、完工後25年間に亘り運営するものです。本件は、JBIC初となる国際連系線事業向けプロジェクトファイナンスです。
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英国及びドイツは、再生可能エネルギーの有効活用及び脱炭素化を促進しており、2021年7月に英国ジョンソン首相及びドイツメルケル首相(当時)が会談した際に、当該目的に照らし本プロジェクトの重要性を確認しています。また、日本政府は、「エネルギー基本計画」(2021年10月発表)において、欧州等の先進国間でのカーボンニュートラル実現に向けたエネルギー・環境技術分野でのイノベーション推進等と連携・協力する方針を掲げています。本融資はこうした施策に沿うものであり、日本企業が出資者として事業参画し、長期に亘り運営・管理に携わる海外インフラ事業を金融面から支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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欧州投資銀行及びJBICは、2021年10月にEU及び日本が主導的役割を果たす環境・気候変動等の分野における両機関の連携の強化を目的とする業務協力協定を締結しています*2。本プロジェクトは当該業務協力協定締結後、両機関による初めての協調案件です。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、日本企業による脱炭素化に向けた海外インフラ事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
プロジェクトファイナンスとは、プロジェクトに対する融資の返済原資を、そのプロジェクトの生み出すキャッシュフローに限定する融資スキームです。
- *2
2021年10月25日付プレスリリースをご参照ください。