2023年度第3四半期業務概況

株式会社国際協力銀行（JBIC、総裁：林 信光）は、本日、2023年度第3四半期（10～12月）の業務概況について、以下のとおり公表しました。なお、金融目的別の承諾額等については、別添資料をご参照下さい。

Ⅰ.出融資・保証業務

1. 承諾状況
2023年度第3四半期の出融資・保証承諾は、41件、約2,621億円となりました。

2. 実行・回収・残高状況
2023年度第3四半期の実行額は約3,216億円、回収額は約7,451億円であり、その結果、同期末残高は、出融資計約16兆372億円、保証約1兆5,581億円、合計約17兆5,953億円となりました。

Ⅱ.主な取り組み

1．日本の産業の国際競争力の維持・向上への取り組み

（1）日本企業のサプライチェーン強靱化及び海外M&Aを支援
メキシコにおいて実施されるオフロード四輪車の製造・販売事業に必要な資金を融資したほか、日本企業による豪州の食品企業の買収に必要な資金を融資しました。
 

（2）中堅・中小企業の海外事業展開を支援
バングラデシュにおける自動車用リビルト品の製造・販売事業に対する融資やタイにおける金属部品等の製造・販売事業向け現地通貨建て融資、ベトナムにおけるアルミニウム再生加工・販売事業向け融資等、計19件、約69億円相当の支援を行いました。
 

2．地球規模課題への取り組み

英国において日本企業が参画する海底送電事業に必要な資金を融資したほか、ベトナムにおいて実施されるバイオマス燃料製造・販売事業に必要な資金を融資しました。脱炭素の取り組みを推進するため、豪州の政府機関との間で水素、再生可能エネルギー及び送電網分野の協力に向けた覚書を締結しました。また、「アジア・ゼロエミッション共同体（AZEC）」構想を推進するため、ベトナムの大手国営銀行及びフィリピンのインフラ関連企業2社との間で脱炭素等分野等の協力推進に係る覚書を締結しました。

3．グローバルサウス向けの取り組み

トルコの開発・投資銀行との間で、同国で2023年2月に発生した地震による震災被害復興に資する環境保全事業を対象に、また同国政策金融機関との間で、環境保全につながる事業を対象に、それぞれクレジットラインを設定しました。加えて、ナミビアとの間で日本企業が関与する環境保全プロジェクトや鉱物資源関連プロジェクト等の形成に向けた覚書を、チリ銅公社との間で重要鉱物及び脱炭素化分野の協力強化に向けた覚書を、それぞれ締結しました。

4．グローバル投資強化ファシリティの下での取り組み

JBICは、2022年7月に「グローバル投資強化ファシリティ^*1」を創設し、日本企業による脱炭素化をはじめとする地球環境保全への貢献、サプライチェーン強靱化、質高インフラ展開や海外における新たな市場創出を支援しています。2023年度第3四半期のグローバル投資強化ファシリティの融資・保証承諾実績は計30件、総額約2,458億円となっております。