タイ王国における自動車販売金融事業向け融資
日本の自動車産業のサプライチェーン強靱化に資する海外事業展開を現地通貨建てファイナンスを活用して支援

• 地域: アジア
• 一般製造業・サービス業
• 投資金融

1. 株式会社国際協力銀行（JBIC、総裁：林 信光）は、4日、トヨタファイナンシャルサービス株式会社等が出資するタイ王国（以下「タイ」）法人Toyota Leasing (Thailand) Co., Ltd.（以下「TLT」）との間で、融資金額145億タイ・バーツ（JBIC分）を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のアユタヤ銀行との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は243億タイ・バーツです。
     
2. 本件は、TLTがタイにおいて実施するトヨタブランドの自動車を対象とした自動車販売金融事業に必要な資金を融資するものです^*1。
     
3. タイは、2022年の自動車生産台数で世界第10位、自動車販売台数が世界第17位であり、同国において高いプレゼンスを示す日本の自動車メーカーにとって、タイは海外輸出・国内販売のいずれの拠点としても重要な位置付けとなっています。タイの自動車市場においては、購入時の販売金融の利用率が高く、販売促進及びシェア拡大を図る観点で、自動車販売金融が各自動車メーカーの事業戦略上重要なツールとなっています。
     
4. 本件は、トヨタの海外事業展開において必要な自動車販売金融事業を現地通貨建て融資により支援するものであり、日本の自動車産業のサプライチェーン強靱化及び国際競争力の維持・向上に寄与するものです。また、トヨタは同社のサステナビリティ戦略である「マルチパスウェイ」に基づき、タイにおけるハイブリッド車（HEV）、プラグインハイブリッド車（PHEV）、バッテリー式電気自動車（BEV）、燃料電池車、水素エンジン車などあらゆる選択肢の普及を目指しており、本件はこうした同社の取り組みにも貢献するものです。
     
5. JBICは今後も、日本の公的金融機関として、日本の産業のサプライチェーン強靱化に向けた取り組み及び日本企業の海外事業展開を金融面から支援していきます。
     

注釈

1. *1 
   最近の同社向け融資としては、2016年9月、2020年8月及び2021年12月に続くものです。