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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、8日、アフリカの地域開発金融機関である東部南部アフリカ貿易開発銀行(Eastern and Southern African Trade and Development Bank、略称:TDB)との間で、2019年5月に設定した輸出クレジットライン*1の下で、融資金額8,640千米ドル(JBIC分)を限度とする個別貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社みずほ銀行との協調融資により実施するもので、協調融資総額は14,400千米ドルです。民間金融機関の融資部分には株式会社日本貿易保険(NEXI)による保険が付されます。
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本融資は、ケニア共和国(以下「ケニア」)法人Globeleq Menengai Geothermal Limitedがケニアのメネンガイ地区で実施する地熱発電所建設プロジェクトにおいて、豊田通商株式会社及び同社のケニア法人CFAO Kenya Limited(以下「CFAO Kenya」)より地熱発電設備一式を購入するために必要な資金をTDB経由で融資するものです。当該発電設備については、豊田通商株式会社及びCFAO Kenyaが設計・調達・建設を一括して請け負い、富士電機株式会社が地熱蒸気タービンや発電機等の主要機器を製造します。
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本融資は、日本企業による地熱発電設備一式の輸出を支援することにより、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。日本政府は「2030年を見据えた新戦略骨子」(令和6年6月5日経協インフラ戦略会議決定)の中で、「インフラシステム海外展開戦略2025」に代わる新戦略においては、2030年のあるべき姿として、グローバルサウスの成長市場を取り込み、グリーン・脱炭素等の社会変革をチャンスとして取り込むことを掲げています。本融資は、TDBと連携しながら、日本企業によるケニア向け地熱発電設備の輸出を支援するものであり、こうした日本政府の方針に沿うものです。
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また、日本政府は2022年8月の第8回アフリカ開発会議(TICAD8)での「チュニス宣言」において、気候適応・緩和に向け財源を動員するための官民連携を通じ、温室効果ガスの低排出に向けた構造転換とアフリカ各国の異なる事情を反映したグリーン成長を実現することを目的とする、日本のアフリカ・グリーン成長イニシアティブ(Green Growth Initiative with Africa (GGA))の推進を表明しています。本融資は、こうした日本政府のアフリカ向け取組方針にも合致するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業によるアフリカ向け事業を支援するとともに、今後ともTDBグループと連携しつつ、日本とアフリカの緊密な経済関係の一層の発展を金融面から支援していきます。
注釈
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