- 地域: アジア
- 一般製造業・サービス業
- 事業開発等金融
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、6月30日、インド共和国(以下「インド」)の地場金融機関であるインドステイト銀行(State Bank of India(略称:SBI))との間で、融資金額約231億円(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行および株式会社横浜銀行との協調融資によるもので、協調融資総額は約711億円です。またJBICは、民間金融機関の融資の一部に対し保証を提供します。
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本件は、SBIが日系自動車メーカーのサプライチェーンを構成する調達先および販売網の海外事業者のほか、EVチャージステーション等のインフラ整備事業に対し資金を供給するために必要な資金を融資するものです。SBIを通じた支援実績として、JBICは2020年10月以降2回にわたり同行に対するサプライチェーン関連の融資を行っています*1。
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インド政府は、Make in India政策を通じて、国内製造業振興を図っており、自動車産業はその根幹をなしています。また同国政府は、2070年のカーボンニュートラル達成を目標としており、脱炭素化に向けた転換期で競合が激化するインド市場において、日系自動車メーカーはマーケットシェアを維持・向上するためにインドにおける環境配慮車両の製造・販売に注力しています。今般、日系自動車メーカーがEVやハイブリッド車といった環境配慮車両の増産を念頭に、インドにおける自動車生産能力を拡大するにあたり、サプライヤーやディーラーへの追加資金供給、EVチャージステーション等のインフラ整備のための資金需要が見込まれています。
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本融資は、インドにおける日系自動車メーカーのサプライヤーおよびディーラーが行う製造・販売事業、日系自動車メーカーの製造する環境配慮車両の販売、EVチャージステーション等のインフラ整備を金融面から支援することを通じて、日本の産業の国際競争力の維持・向上およびサプライチェーン強靱化に貢献するものです。また、日系自動車メーカーのサプライチェーンの支援を通じてインドにおける環境配慮車両の普及を促進することは、同国の環境保全政策や自動車産業のサプライチェーン内製化を目指す政策にも沿ったものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、さまざまな金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業のインドにおけるビジネス環境整備を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
2020年10月28日付プレスリリースおよび2021年3月31日付プレスリリースをご参照ください。