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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、6月30日、三菱瓦斯化学株式会社(以下「三菱ガス化学」)のアメリカ合衆国(以下「米国」)法人MGC Pure Chemicals America, Inc.(以下「MPCA」)との間で、融資金額約46百万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社横浜銀行、株式会社八十二銀行および株式会社常陽銀行との協調融資により実施するもので、協調融資総額は77百万米ドルです。
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本件は、MPCAが米国アリゾナ州にて実施する半導体薬液(超純過酸化水素および超純アンモニア水)の生産設備の増設に必要な資金を融資するものです*1。
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三菱ガス化学は、米国において半導体メーカー向けに半導体薬液の製造・販売事業を実施しています。半導体薬液は、シリコンウエハの洗浄や表面加工法のひとつであるエッチングなどの工程で用いられる、半導体製造に不可欠なものです。今般、米国では、国内における半導体製造能力の強化を目的に、政府が半導体関連企業向けの資金援助等の支援を実施しており、各国半導体メーカーによる設備投資が進行しています。このような中、同社は米国の半導体市場の長期的な成長に伴う半導体薬液の需要拡大に備え、MPCAの生産能力の増強を計画しています。
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本融資は、世界有数の半導体市場である米国における三菱ガス化学の海外事業展開を支援することで、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものであり、同社の米国でのサプライチェーン強靱化に資するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、日本の産業のサプライチェーン強靱化に向けた取り組みおよび日本企業の海外事業展開を金融面から支援していきます。
注釈
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同社向けの融資としては、2024年4月10日付プレスリリースの融資に続くものです。