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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、22日、株式会社商船三井(以下「MOL」)が出資するシンガポール共和国(以下「シンガポール」)法人UnicornMark Discovery Pte. Ltd.(以下「UnicornMark Discovery」)との間で、融資金額約189百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結しました。本融資は、株式会社三菱UFJ銀行、DBS Bank, Limited、Oversea-Chinese Banking Corporation Limited、およびStandard Chartered (Singapore) Ltd. (SC) との協調融資により実施するものです。
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本件は、UnicornMark Discoveryが新造の浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(Floating Storage and Regasification Unit、以下「FSRU」)1隻を保有し、シンガポールの国営LNGターミナル運営会社Singapore LNG Corporation Pte Ltdに対して傭船サービス(リースおよび運転・保守点検等のオペレーション)を提供するために必要な資金を融資するものです。
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MOLは、アジアで唯一のFSRU保有・操業会社として、FSRU事業を今後のMOLグループの持続的成長を支える事業と位置付けています。FSRU 事業は、シンガポール等のLNG受入国のエネルギー政策における低・脱炭素化に貢献します。
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日本政府は2022年1月、日本企業が強みを持つ技術・知見を活かし、エネルギートランジションに向けたアジア各国の取り組みを支援し、協力する枠組みとして「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を提唱し、天然ガスの活用を含む各国の取り組みを積極的に支援していく方針です。
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本融資を通じ、MOLによるFSRUの傭船サービス事業を支援することは、同社が保有する同事業に関するノウハウの蓄積につながり、ひいてはMOLグループのFSRU業界・アジア地域におけるプレゼンスの強化および国際競争力の向上に貢献するものです。加えて、本融資は、シンガポールにおける初のFSRU導入を支援することを通じて、同国のLNG受入キャパシティの拡大に寄与し、シンガポールのエネルギー安全保障に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、さまざまな金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の海外事業展開を支援し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを金融面から支援していきます。