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米ボーイングが認めた航空部品加工メーカー。積み重ねが信頼となり、世界への飛躍につながる

わが社のグローバル展開 旭金属工業株式会社

岐阜の中核工場に加え、アジア市場の開拓を見据えてマレーシア工場に注力。「求められるスペックどおりのものを愚直に」の高い技術力と信頼を武器に、ポストコロナのグローバル展開へと手を打つ。

米ボーイングが認めた航空部品加工メーカー。積み重ねが信頼となり、世界への飛躍につながるの画像 米ボーイングが認めた航空部品加工メーカー。積み重ねが信頼となり、世界への飛躍につながるの画像

旭金属工業株式会社/代表取締役社長
山中泰宏 さん 1981年に入社し、89年に社長就任。以来、30年以上にわたり事業を牽引してきた。「良いものを手抜きせずに作るという気持ち」――これを社員教育として徹底し社風にまで高めた。その姿勢はグローバル展開でも変わりはない

醤油醸造からめっき工場へ。航空機産業の発展とともに事業拡大

「国内で培ってきた機体部品のノウハウを、海外へ移転する体制も整っています。これからはインドが、その次はアフリカが大市場になっていくでしょう」

こう展望を語りながら、手塩にかけて育ててきた岐阜県の工場を案内するのは、旭金属工業の山中泰宏社長だ。

航空機やロケットの部品の加⼯、めっき、塗装などの表⾯処理を⾏うメーカーとして知られる同社。航空宇宙産業関連の特殊工程管理に関する国際認証「Nadcap」を日本で初めて取得、主要取引先である米ボーイング社や三菱重工業などからの信頼も厚い。京都市と岐阜県、マレーシアと米国に拠点・工場を構える。

航空宇宙産業関連の特殊工程に関する国際認証「Nadcap」を日本で初めて取得したの画像

航空宇宙産業関連の特殊工程に関する国際認証「Nadcap」を日本で初めて取得した

本社は京都市内だが、戦前まで醤油醸造を生業としていた場所をめっき工場へ転換したのが始まりだ。

「醤油樽にコールタールを塗ってめっき槽を作りました。復興需要に応えるべくいろいろな仕事が増えるなかで、同じ京都の島津製作所さんの航空機事業部のお手伝いをすることになりました」

航空自衛隊へ部品を納入し、大型ジャンボジェット機ボーイング747の登場により航空機関連の需要が伸びるのに合わせ、京都市内に工場を新設した。その後もボーイング社が787、737と新型機を開発すると、同社も生産体制を拡充してきた。

醤油醸造からめっき工場へ。航空機産業の発展とともに事業拡大の画像

「300年持つ工場」を中核に。エンジン部品加工の新工場も稼働へ

現在主力の岐阜安八工場は、3つの工場棟(西工場、300年工場、東工場)から成る。1992年、将来の成長を見据えた拡張余地や関西と関東からの中間的な程よいアクセスを考え、岐阜県安八町に西工場を設立。2002年に300年工場、11年に東工場で操業を開始した。3工場棟合計の延べ床面積は2万1000m2を超える。

3工場の中核となる300年工場は「300年間生産維持できる構造」が名前の由来だ。稼働状況に応じた設備の入れ替えやレイアウト変更ができるよう、無柱の構造に。素材投入から機械加工、耐食性等を向上させる前処理加工、塗装といった工程を統合した生産体制を確立することで、さらなる短納期化と低コスト化を進めている。さらに23年には、主にエンジン部分の加工に注力した4番目の工場の稼働を控える。

高い技術力と信頼性が強み(岐阜の300年工場)の画像

高い技術力と信頼性が強み(岐阜の300年工場)

強みである表面加工の特殊工程プロセスをワンストップで実現する機械(岐阜の300年工場)の画像

強みである表面加工の特殊工程プロセスをワンストップで実現する機械(岐阜の300年工場)

先端技術が盛り込まれている上、多くの人命に関わる航空機産業だけに、信頼を勝ち得るには並々ならぬ技術力が必要とされそうだが、山中社長は首を横に振る。

「航空機業界の水準が特別に高いわけではありません。自動車には自動車の、電子には電子の品質要求があります。求められるスペックどおりのものを愚直にやる、その積み重ねが信頼となり、今につながっています」

そうは言っても、確固たる技術があればこその信頼だろう。例えば部品の検査体制を見ても、特殊な蛍光液を使うことで、目視できないミクロン単位の微小な傷やひび割れを見逃さない精度を実現。長年積み上げてきた高度な技術力が、ロケット部品や医療用機器の製造にも生かされている。

東日本大震災の際にボーイング社から贈られた応援の横断幕は信頼の証し。今も工場内に飾られているの画像

東日本大震災の際にボーイング社から贈られた応援の横断幕は信頼の証し。今も工場内に飾られている

航空機産業は再び飛躍する――。確信のもとに投資を続けていく

国内だけでなく、海外での市場開拓に積極的な姿勢を示してきたのも旭金属工業の特長だ。国内の航空機産業はボーイング社の機体製造を請け負う重工大手が中小サプライヤーに部品加工や組み立てを発注する構図が基本。海外との直取引の拡大は経営リスクの分散という面でも重要となる。

15年にはアジア市場開拓への足がかりとすべく、航空機機体メーカーのマレーシア進出に伴い、同国に子会社を設立。21年には同工場の拡充を見据え、JBICの融資も活用した。

「今後の航空機産業の中心の1つは、間違いなくマレーシアになります。ボーイングの動向もにらみながら、必要な投資を続けていきます」

航空機部品を熟知した同社だからこそ、海外でも高品質な生産ができる(マレーシア法人)の画像

航空機部品を熟知した同社だからこそ、海外でも高品質な生産ができる(マレーシア法人)

ここ数年はコロナ禍が直撃し、航空機業界は苦境に立たされている。国際的な移動に制限がかかり、国内外のエアラインは一時、開店休業状態となった。「貨物機市場は多少動いていたものの、旅客機は市場規模がピーク時の5分の1程度になり、わが社も売り上げが落ち込みました」

それでも設備投資や海外進出への歩みを止めないのは、自社の培ってきた技術と信頼、そして航空宇宙産業が再び飛躍するという確信があるからだ。

創業時の話から岐阜進出、これからの海外展望まで、丁寧に語ってくださった代表取締役社長の山中泰宏さんの画像

創業時の話から岐阜進出、これからの海外展望まで、丁寧に語ってくださった代表取締役社長の山中泰宏さん

「コロナが収まってきて、航空機の納入も動き出しました。今後は水素やバイオ燃料といった脱炭素化の動きが強まるでしょうし、自動車のように電動のモーターを使った航空機も開発が進んでいます。航空宇宙部品の世界はスペックがすべて。肝心なのは仕様書をいかに早く安く正確に満たせるか、なのです。顧客の信頼に応えてきた当社だからこそ、その強みを発揮できる舞台が整ってきていると感じています」

旭金属工業株式会社

1948年 会社設立
1977年 米ボーイング社の特殊工程の認定工場に
1988年 京都南工場完成
1992年 岐阜安八西工場完成
2002年 岐阜安八300年工場完成
2015年 Asahi Aero Malaysia設立
2019年 Asahi Aero America設立
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