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脱炭素と経済成長、エネルギー安全保障の同時実現に向け、地球規模の水素サプライチェーン構築を目指す

PROJECT最前線 脱炭素社会実現に向けて立ち上がった新部署「次世代エネルギー戦略室」

脱炭素社会の実現に向けた解決策の一つとして、期待が高まる水素。その水素をはじめとする次世代エネルギー全般を推進する新たな部署が設けられた。同室所属の日髙啓貴さんと辻直樹さんに、新部署の役割と意気込みを聞いた。

(左)インフラ・環境ファイナンス部門社会インフラ部 第1ユニット/ユニット長代理古屋俊洋 さん、(右)インフラ・環境ファイナンス部門社会インフラ部/第1ユニット 係員丹羽勇人 さんの画像 (左)インフラ・環境ファイナンス部門社会インフラ部 第1ユニット/ユニット長代理古屋俊洋 さん、(右)インフラ・環境ファイナンス部門社会インフラ部/第1ユニット 係員丹羽勇人 さんの画像

(左) 資源ファイナンス部門
次世代エネルギー戦略室/室長代理
日髙啓貴 さん 2003年入行。ロンドン事務所、コロンビア大学留学、経済産業省等を経て、再エネなどの発電事業向けプロジェクトファイナンス案件に従事。財務部ではJBIC初のグリーンボンド発行も担当

(右) 資源ファイナンス部門
次世代エネルギー戦略室/調査役
辻 直樹 さん 2016年入行。外国審査部でソブリンの信用力審査、電力・新エネルギー第1部で原子力発電などの発電事業向けプロジェクトファイナンス案件に従事した後、財務省に出向して世界銀行など国際開発金融機関を担当

次世代エネルギーの利活用で、日本が先陣を切るために

「次世代を担う1人として、新たなビジネス分野に関われることは楽しみでした。また、水素分野のファイナンスの第一人者になれるチャンスでもある、という期待もありました」。そう語るのは、2022年7月に新設された次世代エネルギー戦略室の辻直樹さんだ。その一方で、室長代理(課長級)を務める日髙啓貴さんは「新たなミッションの中で何をすべきか手探りだったので、必死でした」と振り返る。

次世代エネルギー戦略室で室長代理を務める日髙啓貴さんさんの画像

次世代エネルギー戦略室で室長代理を務める日髙啓貴さん

脱炭素社会の実現とグリーン・トランスフォーメーション(GX)推進に向け、水素やアンモニアなどの水素化合物に対する世界の期待は非常に高い。水素の社会実装に向けた課題は多いが、ウクライナ情勢に端を発したエネルギー危機もあり、水素をめぐる国際競争は激化しつつある。日本企業も、水素社会の構築に向けた挑戦に続々と乗り出している。

こうした状況下、次世代エネルギーに関する案件を一元的に担うべく、JBICの次世代エネルギー戦略室は新設された。「水素製造から輸送、発電などの利活用における案件を一気通貫で担うことで、情報の集約はもちろん、スムーズな顧客対応を行えるようになりました」と日髙さんは語る。

とはいえ、ゼロからのスタート。設立から半年間は、新部署を知ってもらうための売り込みと情報発信が中心だった。潜在的顧客を洗い出し、1社1社、手分けをして世界中を回った。また、水素供給先となる国の政府・政府機関、海外の主要な水素関連事業者との連携を強化するための協力・連携に関する覚書(MOU)の締結も進め、すでに約20件に達している。

水素・アンモニア関連のMOU締結先
水素・アンモニア関連のMOU締結先の図 水素・アンモニア関連のMOU締結先の図
(2023年8月時点)

「国際会議に登壇して我々の取り組みを説明するといった情報発信も積極的に行っています。今後は、日本企業がサプライチェーン全体に関与することで、日本の脱炭素のみならず経済成長にも資する案件を組成していきたい」と辻さんは胸を張る。

水素のサプライチェーンを、世界に先駆けてゼロから作る

水素は再生可能エネルギーや化石燃料から作ることができ、燃焼してもCO2を排出しない。日本は2017年、世界に先駆けて水素の国家戦略を発表し(「水素基本戦略」)、技術面では世界をリードしているが、再エネ資源・化石燃料のいずれにも恵まれない日本が水素を大規模に活用するためには、輸送が大きな課題となる。

水素の主な生産国はアメリカや中東、オーストラリア、インド、それに南米やアフリカだ。日本に届けるには、マイナス253度以下に冷却する液化水素、MCHと呼ばれる液体有機水素キャリア(LOHC)、またはアンモニアや合成メタンにして海上輸送する必要がある。

水素を発電に利用する画像

しかし、輸送分野こそ日本が特に強みを発揮できる分野の一つだ。「日本は50年以上も前に世界に先駆けてLNG(液化天然ガス)のサプライチェーン構築を成功させました。当時は経済性を疑問視する声も少なくなかったと聞きますが、今では世界の至る所でLNGが活用されています。JBICには、長年にわたってLNGサプライチェーン構築の支援を行ってきた知見とノウハウがあります。水素でも同様に、JBICがサプライチェーン構築に向けた新しいファイナンスの形をリードしたいと考えています」と語る日髙さんの言葉は力強い。

水素を発電に利用する場合、発電所1基あたり水素自動車200万~500万台分の水素が必要になる一方、世界にはまだ水素の大規模導入に向けたサプライチェーン構築のためのファイナンスは存在していない。その仕組みをゼロから作り上げていくことこそ、次世代エネルギー戦略室に求められている使命なのだ。

先導者として「つなぐ」役割を。攻めの姿勢も忘れずに

新しい分野への挑戦に躊躇はなかったのか。日髙さんは、「日本がこの分野で世界をリードできるよう、失敗を恐れずに前のめりになるくらいの姿勢で取り組んでいます」と前向きだ。辻さんも「日本だけでなく、地球規模の課題である脱炭素に向けた重要な取り組みの一つに携わっているという自負があります」と語る。

次世代エネルギー戦略室調査役の辻直樹さんの画像

次世代エネルギー戦略室調査役の辻直樹さん

ビジネスモデルが確立していない水素事業の実現に際しては、JBICのファイナンスを含む公的支援が重要な要素の一つとなる。しかし当然ながら、主役はあくまでも事業者だ。事業者から常に頼ってもらえる存在になるべく、今までのやり方にとらわれることなく、柔軟に対応していきたいと2人は強調する。

水素のような新しい分野において積極的にリスクテイクしていくことが、政策金融機関であるJBICに求められる役割だ。入行8年目の辻さんは「先導者として、中立の立場から、政策とビジネスをつなぐことができるのが、JBICで働く醍醐味。また、海外の政府や企業との協議のために1人で出張に行くことも多く、若いうちから仕事を任せてもらえるので、とてもやりがいがあります」と忙しくも充実した日々を送る。

部署設立から1年が経過し、間もなく融資につながる案件も見えてきたという。日本だけでなく、地球の未来をも背負う新分野で、精鋭たちは日々世界へと羽ばたいている。

概要

脱炭素社会やグリーン・トランスフォーメーション(GX)に向け、水素やアンモニアといった次世代エネルギーに関する対応を一元的に担う部署として、2022年7月、資源ファイナンス部門内に「次世代エネルギー戦略室」を設立

本部署の紹介動画
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