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製鉄プロセスの低炭素化へ、ヴァーレと日本企業を結ぶ新たなJBICの支援

特集 ブラジル・チリ 鉱業大国の未来②

JBICはブラジルの金属・鉱業大手ヴァーレと半世紀近くにわたり協力関係にある。2023年4月のJBIC法改正で支援対象が広がり、日本企業の海外現地法人が資源を取得するケースも支援の対象に。ヴァーレへの新規融資はこの改正を活用した最初の事例となった。

ペレットは鉄鉱石を処理して作られる直径1~3センチ程度の大きさの粒状の製品の画像 ペレットは鉄鉱石を処理して作られる直径1~3センチ程度の大きさの粒状の製品の画像

ペレットは鉄鉱石を処理して作られる直径1~3センチ程度の大きさの粒状の製品

3大メジャーとの緊密な関係。CO₂削減に貢献する低炭素鉄鋼原料

ヴァーレ(Vale S.A)はブラジルを拠点とする総合資源開発企業で、鉱物資源メジャーである。JBICは、1980年代から鉄鉱石を中心に協業を重ねるなど、半世紀近くにわたり緊密な関係を築いてきた。2024年3月には、4億8000万米ドルの大型の貸付契約を締結。この契約を担当した鉱物資源部第2ユニットの田宮慎太郎さんと畑仁美さんは、「契約交渉が本格化してから半年間、最後まで気の抜けない大型案件でした」と口をそろえる。

ヴァーレの扱うペレットフィード(鉄鉱石を破砕・加工処理したもの)とペレット(ペレットフィードを塊成化したもの)は、従来の高炉法による製鉄時のみならず、製鉄時のCO₂削減が可能な電気炉法や水素直接還元製鉄に必要不可欠な低炭素鉄鋼原料だ。これらをヴァーレから日本企業へ安定的に供給するために求められたのが今回の融資だった。

田宮慎太郎さんの画像

JBIC 資源ファイナンス部門
鉱物資源部 第2ユニット(兼)第1ユニット 調査役

田宮慎太郎さん

前例のない新スキームの構築、タフな交渉の末に価値ある妥結

ヴァーレ側からJBIC融資への関心が示されてプロジェクトが動き出したが、検討当初は、融資対象が日本国内へ直接輸入される場合に限るという、JBIC法に基づく業務対象の制約に直面した。しかし、23年4月のJBIC法改正により、日本企業の海外現地法人の資源取得も融資対象に含まれるようになった。

「ヴァーレからの相談は法改正前でしたが、実際に融資交渉が進展していったのは法改正後になります。法改正後初めての取り組みとして前例がないだけに、行内の関係各所と折衝しながらスキームの検討を進めました」(畑さん)

畑 仁美さんの画像

JBIC 資源ファイナンス部門
鉱物資源部 第2ユニット

畑 仁美さん

JBIC内で法改正後の輸入金融第1号案件として検討を進めるなか、ヴァーレには法改正の背景や趣旨を丁寧に説明し、JBICとして求める要件をしっかりと理解してもらう必要があった。田宮さんは交渉に際して、オンラインでのミーティングに加え、2度現地に出張して矢面にも立った。

「日本とブラジルのやりとりは、生活時間が正反対という時差の制約があるなか、24年3月までの契約締結を目指し、時間を無駄にできないプレッシャーの下で妥結を急ぎました。ただ、ヴァーレも我々の意見に丁寧に耳を傾け、理解してくれたおかげで、無事に契約を調印することができました。最後にヴァーレから、迅速で誠実な対応に改めて感謝したい、という言葉をもらえたことがとても嬉しかったです」

前例なき第1号案件、時差の壁、世界的企業との厳しい交渉……。いくつもの壁を乗り越え、時には現地の田宮さんと日本の畑さんとの連携プレーも功を奏して成立した契約。日本の鉄鋼産業にとって重要な鉱物資源の安定供給、脱炭素化への貢献とともに、資源戦略上も重要なヴァーレとの関係強化にも寄与する価値あるプロジェクトとなった。

田宮慎太郎さん、畑 仁美さんの画像
本案件に関するプレスリリース
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