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「実装される防災」で日本、そして世界を守る。現地ニーズに即した専門技術を台湾・ベトナムへ

わが社のグローバル展開 株式会社ライテク

土砂崩れや落石などの自然災害に対応するフェンスやネットの開発・製造・販売を一貫して担うライテク。
創業者の志と次世代の経営力が響き合い、その製品技術は実効性のある世界の災害対策として広がっていく。

細川豊さん、中嶋枝里子さんの画像 細川豊さん、中嶋枝里子さんの画像

(左) 株式会社ライテク/代表取締役会長 細川 豊(ほそかわ・ゆたか)さん 県立小松工業高校卒業後、金沢大学構造力学研究所、道路防災メーカーでの勤務を経て、1998年にライテクを創業。その後は開発、設計、販売、製造、施工と防災事業においてすべて網羅するために各グループ会社を設立。現在は各社の会長・社長としてフットワーク軽く全国各地、海外へと忙しく飛び回っている

(右) 株式会社ライテク/代表取締役社長 中嶋枝里子(なかしま・えりこ)さん 富山大学卒業後、地方銀行勤務を経て、2008年ライテクへ入社。24年4月にライテクの代表取締役社長に就任。現在は会長と共に国内・海外事業を拡大するために各拠点を回り、順調に事業の継承を進めている

会社の心臓部は技術力にあり。 関連協会やグループ会社で一気通貫

災害大国・日本。近年では、気候変動の影響により、自然災害の頻度は増し、規模も拡大している。こうした激化する災害から人々の命を守るべく、日々奮闘している企業がある。グループ会社と一体となって防災製品の開発から製造、販売までを手がける、ライテクだ。

同社の主力製品は、地すべりや落石、雪崩の被害を防ぐフェンスやネット、大型土のうなど。7人の防災専門の工学博士と経験豊富な技術士を擁するエキスパート集団だ。卓越した技術力によって高い機能性と耐久性を兼ね備えた製品を生み出し、大学と連携した性能検証を経て、国から新技術として認定されている。

最近では、南海トラフ巨大地震を想定した土砂・津波対策に加え、防衛省に関わる防災製品の開発・改良にも取り組む。また、能登半島地震の被災地向けの落石対策製品の開発も進めている。

「我々の心臓部は技術力です。専門的技術と経験を頼りに、時代や地域に適した高品質な製品を目指しています。性能はもちろん、スピード感、経済性、施工性も重視した『売れるものづくり』を常に意識しています」。そう語るのは、代表取締役会長の細川 豊さん。大学での落石関連の研究や道路防災メーカー勤務を経て、1998年、45歳の時に「自分のアイデアを形にしたい」と、ライテクを創業した。

まず、全国の企業に将来性を訴えて出資や協力を募り、2つの防災対策の関連協会を立ち上げ、経営基盤を形成。並行して、北海道から沖縄まで全国に支店を開設し、製造・販売・施工の各工程を担うグループ各社を設立。開発から施工までの全工程を一貫して行う体制を構築してきた。

ベトナム政府の関連省庁とも丁寧に協議を重ね、プロジェクトの実現性を探るの画像

ベトナム政府の関連省庁とも丁寧に協議を重ね、プロジェクトの実現性を探る

アジア各地へ広がる拠点網。 地形を手がかりに現地に根差す

近年、同社が力を注いでいるのが海外展開である。細川会長は創業当初から、「日本の防災製品を世界に役立てたい」との思いを抱いていたという。その展開は、日本との距離や地形の共通点を踏まえて進められてきた。

細川豊さんの画像

「台湾もベトナムも、親日的だと感じています。どちらも人々の仲間意識が強く、家族のように付き合うことが大切です。」と語る、代表取締役会長の細川 豊さん

まず2012年に台湾に現地法人を設立し、台湾大学と連携した製品開発を進めている。今後は、現地の土木学会との共同研究にも取り組んでいく予定だ。24年4月に台湾東部で発生した花蓮地震での被害を受け、落石対策工事の受注が見込まれており、同年10月には台湾南部の高雄市に同社グループで製造工場を設立するなど、事業は拡大を続けている。

さらに20年にはベトナムにも拠点を開設。現地では、日本向けのアルミ防災商品の製造に加え、ベトナム国内での製造・販売の展開も目指している。すでに現地での試験施工が決定しており、JBICの支援もこうした取り組みを後押しする。

日本と同様に地震が多発する台湾では、落石リスクへの対応がインフラ整備の急務となっている(写真は台湾・協和火力発電所向けに実施した施工現場)の画像 日本と同様に地震が多発する台湾では、落石リスクへの対応がインフラ整備の急務となっている(写真は台湾・協和火力発電所向けに実施した施工現場)の画像

日本と同様に地震が多発する台湾では、落石リスクへの対応がインフラ整備の急務となっている(写真2枚は台湾・協和火力発電所向けに実施した施工現場)

男性社会の業界で女性のリーダー。垣根をなくす人材の活用

細川会長の長女で、24年4月に代表取締役社長に就任した中嶋枝里子社長は、「世界でも自然災害の被害が増えており、当社の製品によって守れるものがあると考えています。10年、20年先を見据えて海外事業を伸ばしていきたいです」と意気込む。

海外展開におけるキーワードは、「垣根をなくす」こと。台湾、ベトナムの責任者は現地の社員が担い、従業員も現地採用を基本としている。外国人社員は、日本で数年間防災について学んだ後、各地の現地法人でノウハウを活かすか、日本国内でそのまま社員として勤務する。中嶋社長は、「台湾もベトナムも優秀な人材が多く、日本での人材確保が難しい時代に本当に助かっています」と話す。

中嶋枝里子さんの画像

「能登半島地震で被害を受けた石川県は隣県でもあり、特に力を入れて支援していきたい」と語る、代表取締役社長の中嶋枝里子さん

現在、日本の中嶋社長を含め、3拠点の現場トップはすべて女性が務めている。「日本では建設業界は圧倒的に男性社会ですが、海外では多くの女性が経営を担っています。日本の業界のイメージも変わっていけばいいと思います」と中嶋社長。こうした垣根のない組織づくりと、磨き上げてきた高い技術の共有が国境を越えた成果につながっている。

さらに細川会長がこだわってきたのが、スピーディーな意思決定と行動だ。「海外の企業から『日本の会社はトップが来ない』との声を聞きます。私は常に現地へ行ってその場でイエスかノーかを判断する、そのスピード感を大切にしています」

創業から27年間、会社を急成長させてきた細川会長。その姿を間近で見てきた中嶋社長は「フットワークの軽さがすごい。真似したくてもなかなかできない」と舌を巻く。自身は金融出身であり、「経営の視点を持ち、経験豊富で優秀な社員と力を合わせて取り組んでいきたい」と語る。

防災の専門家集団が磨き上げてきたメイドインジャパンの技術は、次の時代に向けて、さらに世界へ羽ばたこうとしている。

山岳地帯や急峻な地形の多いベトナムでは、特に北部・中部で地震や台風が頻発し、土砂災害や落石のリスクが高い(写真は北部イエンバイ省での現地視察の様子)の画像

山岳地帯や急峻な地形の多いベトナムでは、特に北部・中部で地震や台風が頻発し、土砂災害や落石のリスクが高い(写真は北部イエンバイ省での現地視察の様子)

株式会社ライテク

1998年 有限会社ライテク設立
2005年 株式会社ライテクに社名変更
2012年 台湾・台北市に現地法人を設立
2018年 株式会社R&Tグループを設立。グループ会社を統合
2020年 ベトナム・ハノイ市に関連企業の株式会社トーエスと合弁会社を設立
2024年 台湾・高雄市にグループ製造工場を設立
融資概要

2025年5月、北陸銀行との間で融資金額24万5000米ドル(JBIC分)の貸付契約を締結。株式会社ライテクおよび関連会社の株式会社トーエスのベトナム法人、RT Vietnam Joint Stock Companyが実施する防災用品の販売事業に必要な資金に充てられる。本融資を通じ、JBICは日本の産業の国際競争力の維持および向上に貢献する

本案件に関するプレスリリース
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