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製鉄プロセスの低炭素化のため新スキームで実現させた融資

JBIC「グローバルサウス」プロジェクト7選

2023年のJBIC法改正で支援対象が広がり、日本企業の海外現地法人が資源を取得するケースも支援の対象に。ブラジルの金属・鉱業大手ヴァーレへの新規融資がその最初の事例となった。担当した田宮慎太郎さん、畑仁美さんに聞いた。

プロジェクト5、ブラジル金属・鉱業大手に「JBIC法改正」輸入金融第1号融資 プロジェクト5、ブラジル金属・鉱業大手に「JBIC法改正」輸入金融第1号融資

ペレットは鉄鉱石を処理して作られる直径1~3センチ程度の大きさの粒状の製品

CO₂削減に貢献する低炭素鉄鋼原料。鉱物資源メジャーから安定供給へ

グローバルサウスの中には豊富な資源を有し、日本との関係が深い国も少なくない。鉱業大国であるブラジルもその1つ。日系人が多く住み歴史的なつながりを持つだけでなく、鉄鉱石からリチウムまで、同国の資源開発には日本も長く携わってきた。

総合資源開発企業のヴァーレ(Vale S.A)は、ブラジルのリオデジャネイロに本拠を構える鉱物資源メジャーだ。1980年代から鉄鉱石を中心に協業を重ねるなど、JBICは長きにわたり緊密な関係を築いてきた。

2024年3月には、4億8000万米ドルの大型の貸付契約を締結。同社の扱うペレットフィード(鉄鉱石を破砕・加工処理したもの)とペレット(ペレットフィードを塊成化したもの)を、日本企業へ安定的に供給するための融資だった。従来の高炉法による製鉄時のみならず、製鉄時のCO₂削減が可能な電気炉法や水素直接還元製鉄に必要不可欠な低炭素鉄鋼原料である。

ヴァーレ側からJBIC融資への関心が示されてプロジェクトが動き出したが、検討当初は、融資対象が日本国内へ直接輸入される場合に限るという、JBIC法に基づく業務対象の制約に直面した。しかし、23年4月のJBIC法改正により、日本企業の海外現地法人の資源引き取りも融資対象に含まれるようになり、ちょうどそのタイミングで融資交渉が進展していく。「法改正後初めての取り組みとして前例がないだけに、行内の関係各所と折衝しながらスキームの検討を進めました」と、JBIC鉱物資源部第2ユニットで契約を担当した畑仁美さんは言う。

2023年のJBIC法改正で融資可能に 2023年のJBIC法改正で融資可能にの図

JBICの輸入金融はそれまで資源等を日本に輸入する場合を対象としていたが、昨今の日本企業のグローバル展開では、海外で調達した資源等を海外現地法人で引き取り、そこで製造・販売を行うケースも増加。法改正により、そうした場合も融資可能になった。

JBIC内で法改正後の輸入金融第1号案件として検討を進めるなか、ヴァーレには法改正の背景や趣旨を丁寧に説明。畑さんと一緒に担当した田宮慎太郎さんは交渉に際し、2度、現地に出張もした。「時差の制約もあるなか、ヴァーレも我々の意見に耳を傾け、理解してくれたおかげで、無事に契約を調印することができました」

重要な鉱物資源の安定供給と、脱炭素化への貢献。グローバルサウスとの共創という点でも価値あるプロジェクトとなった。


JBIC 資源ファイナンス部門 鉱物資源部 第2ユニット(兼)第1ユニット 調査役 田宮慎太郎さんの画像

PROFILE

JBIC 資源ファイナンス部門 鉱物資源部 第2ユニット(兼)第1ユニット 調査役 田宮慎太郎さんの画像

JBIC 資源ファイナンス部門
鉱物資源部 第2ユニット(兼)
第1ユニット 調査役

田宮慎太郎(たみや・しんたろう)さん

2016年入行。鉄鋼・アルミ関連の案件組成や既往案件の管理等に従事。京都大学法学部卒業

JBIC 資源ファイナンス部門 鉱物資源部 第2ユニット(当時) 畑 仁美さんの画像

PROFILE

JBIC 資源ファイナンス部門 鉱物資源部 第2ユニット(当時) 畑 仁美さんの画像

JBIC 資源ファイナンス部門
鉱物資源部 第2ユニット(当時)

畑 仁美(はた・ひとみ)さん

2022年入行。ブラジル担当業務、既往案件管理等に従事し、現在は調査部。国際教養大学卒業

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