株式会社国際協力銀行(JBIC)シドニー駐在員事務所は、2022年11月7日に開所式典を開催しました。JBICは、本年3月にシドニー駐在員事務所を開設*1しましたが、今般、日豪関係者に広く周知するために開催したものです。
シドニー駐在員事務所は、太平洋島嶼国をはじめとするインド太平洋地域における経済成長や持続可能なインフラ投資の促進に取り組んでいます。開所式典では、こうした取組を推進するために結成した日米豪3機関間パートナーシップ*2の豪州側のパートナーである豪州外務貿易省(Department of Foreign Affairs and Trade(略称:DFAT))及び豪州輸出金融公社(Export Finance Australia(略称:EFA))や、ニューサウスウェールズ州政府、日豪の政府機関や民間企業及び国際機関等より、約130名が出席しました。
JBIC会長の前田 匡史は、主催者挨拶において、2022年10月22日の日豪首脳会談を引用し、日豪二国間の「特別な戦略的パートナー関係」が、両国の経済安全保障のみならず、インド太平洋地域におけるクリーンエネルギーの推進に向けた日豪両国の協力にも及ぶ新たな次元に突入していること、さらに、そうした今日の強固な信頼に基づく日豪のパートナーシップの土台となっている豪州国内の資源開発と日本への輸出にJBICが日本企業とともに深く関与してきた歴史に触れました。また、前田は、昨今の地政学的な環境変化を踏まえ、日米豪3機関間パートナーシップや日米豪印(略称:Quad)の枠組の下で、関係各国の政府機関が「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携をより一層強化することの重要性や、脱炭素とエネルギー安全保障の両面から重要性を増している水素・アンモニアやクリティカル・ミネラル等の分野での日豪協力の可能性に触れつつ、シドニー駐在員事務所を通じて日豪関係を更に拡大・深化させていくと表明しました。

続いて、山上信吾駐オーストラリア日本国特命全権大使、DFATマルコ・サルビオ北東アジア部次官補及びニューサウスウェールズ州ダミアン・トゥードホープ財政大臣兼被雇用者関係大臣より、JBICのシドニー駐在員事務所開設への祝意とともに、日豪及び日米豪連携や、水素やクリティカル・ミネラル、サプライチェーンの強靱化をはじめとする様々な分野での、同駐在員事務所を通じたJBICの活動強化への期待が示されました。

JBICは、今後も、シドニー駐在員事務所を通じて、DFAT及びEFAをはじめとする日豪の政府機関や民間企業及び国際機関とより一層緊密に連携し、豪州及びインド太平洋での案件支援に一層注力していきます。
注釈
- *1
2022年3月16日付お知らせをご参照ください。
- *2