- 地域: 中東
- 資源
2012年12月11日
- 株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:奥田 碩)は、本日、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国アブダビ国営石油会社(Abu Dhabi National Oil Company、略称:ADNOC)との間で、包括的・戦略的パートナーシップの更なる強化を図ることを企図した業務協力協定を締結しました。
- ADNOCはアブダビ首長国政府が100%出資する国営石油会社であり、UAEの石油・ガス生産の大宗を占めるアブダビ首長国において、石油・ガス事業を展開しています。本協定は、2007年4月*1及び2010年11月*2にADNOC との間で締結した業務協力協定を拡充・発展させるものであり、とりわけ、アブダビ首長国で操業する日本の石油開発企業の新規権益の取得や既存権益の延長等がJBICによる支援にあたっての重要な目的であることも、改めて相互に確認しています。
- 日本政府の国家戦略会議のもとに設置されたエネルギー・環境会議で決定された「革新的エネルギー・環境戦略」(2012年9月)においても、「資源確保戦略」*3を踏まえた包括的かつ互恵的な二国間関係の構築・強化の必要性が謳われています。かかる中、UAEは、日本にとって過去30年間に亘る安定的な原油輸入先国となっていることに加え、アブダビ首長国が利権付与協定に基づく外資系の石油会社の参入を認めていることなど、日本の資源戦略上極めて重要な国です。また、アブダビ産原油の一部は、アブダビ原油パイプライン(フジャイラ・パイプライン)の開通により、ホルムズ海峡を通過することなく積出可能となっており、アブダビ産原油の戦略的重要性は高まっています。
- 本協定の締結は、日本と戦略的に重要な資源国との二国間関係の強化に資するものであり、政府のエネルギー・環境政策とも合致するものです。JBICは今後も、本協定の締結等を通じて、ADNOCとの関係を更に強化することで、日本企業の新規権益の取得や既存権益の延長等に向けた動きを側面支援し、日本のエネルギー安定供給確保を支援していく所存です。
注釈
- *1 2007年5月1日付プレスリリースをご参照ください。
- *2 2010年11月4日付プレスリリースをご参照ください。
- *3 2012年6月に開催された「第15回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合」において報告された「資源確保戦略」において、石油・天然ガス分野で重要と認識される国・地域の一つとして、UAEが指定され、「資源国に対する政府一体となった働きかけや資金供給支援」の必要性が指摘されています。