- 地域: 大洋州
- 資源
- 投資金融
- プロジェクトファイナンス
2014年3月24日
-
株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、20日、オーストラリア連邦(以下「豪州」)法人Roy Hill Holdings Pty Ltd (以下「RHH」)との間で、融資金額900百万米ドル(JBIC分)を限度とするプロジェクトファイナンス*1による貸付契約を締結しました。本融資は、韓国輸出入銀行(KEXIM)、米国輸出入銀行(USEXIM)及び民間金融機関(株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、三井住友信託銀行株式会社等)との協調融資(協調融資総額:7,200百万米ドル)によるもので、民間金融機関融資分の一部に対しては、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)、韓国貿易保険公社(KSURE)及び韓国輸出入銀行(KEXIM)による海外事業貸付保険等が付保されます。本件はJBICの「海外展開支援融資ファシリティ」*2の下での資源・エネルギーの確保・開発の促進に係る案件です。
-
本件は、丸紅株式会社(以下「丸紅」)が豪州法人Hancock Prospecting Pty Ltd、韓国法人POSCO及び台湾法人China Steel Corporationと共同で出資するRHHが、豪州西オーストラリア州ピルバラ地区において行うロイヒル鉄鉱山及び関連インフラの新規開発・操業を行うものです。本事業を通じて、丸紅は、本鉱山で生産される鉄鉱石(年間55百万トン)のうち、21%相当(年間約11.55百万トン)を17年間にわたって引き取り、日本国内の製鉄所を中心に供給する予定です。なお、JBICは2013年3月、本プロジェクトに対し、丸紅の豪州法人との間で貸付契約を締結しています*3。
-
鉄は自動車、建材等の幅広い用途で使用され、日本の産業にとって根幹となる金属資源ですが、日本は鉄鉱石の全量を豪州をはじめとする海外からの輸入に依存しています。近年、中国をはじめとする新興国の成長に伴って鉄鉱石の世界的な需要が増大しつつある中、長期安定的に良質の鉄鉱石を確保することが課題となっています。ロイヒル鉄鉱山から産出される鉄鉱石は品位が高く、鉄鋼原料として適しているところ、日本の高品位鉄鉱石の供給量増大につながる本事業に対しては、日本の製鉄会社からも強い期待が寄せられています。
-
JBICは今後も、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、重要資源の開発・取得の促進を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 プロジェクトファイナンスとは、主にプロジェクトのキャッシュフローを担保とする融資スキームのことです。
- *2 2013年4月1日付お知らせをご参照下さい。
- *3 2013年3月28日付プレスリリースをご参照下さい。