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2015年3月27日
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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:渡辺 博史)は、26日、スペイン法人Abengoa S.A.(以下「Abengoa」)の子会社でAbengoaグループの建設事業を統括するTeyma Gestión de Contratos de Construcción e Ingeniería, S.A.との間で、融資金額約11.5百万ユーロ(JBIC分)を限度とするバイヤーズ・クレジット(輸出金融)の貸付契約を締結しました。本融資は、クレディ・アグリコル銀行東京支店との協調融資によるもので、同行融資部分には独立行政法人日本貿易保険(NEXI)による保険が付保されます。協調融資総額は約19.1百万ユーロです。
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本件は、Abengoaグループがモロッコ王国アガディールにおいて同国最大の海水淡水化プラント(日量10万㎥)を建設するにあたり、三井物産プラントシステム株式会社(以下「MPS」)から東レ株式会社製の逆浸透(RO)膜*1や株式会社酉島製作所製の高圧ポンプ等の機器を購入するために必要な資金を融資するものです。
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Abengoaは、再生可能エネルギー・バイオ燃料等のクリーンエネルギー分野及び水分野を中心とする総合エンジニアリング企業として、世界的に事業を展開している水業界の有力企業です。本融資は、MPSによるAbengoaグループ向け海水淡水化プラント関連機器の輸出を金融面から支援することで、日本の水関連産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。
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また、JBICがアフリカにおける水インフラ事業を支援するのは本件が初めてとなります。本プラントによって淡水化された水は、アガディール地域の飲用水として供給され、同地域の産業や生活水準の向上に貢献することが期待されます。さらに、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、日本政府より官民協力の上、アフリカ地域への貿易投資を拡大していく旨が表明されたことを踏まえ、JBICは、アフリカ地域の民間セクター主導の成長促進やインフラ整備の促進を支援するため、「JBICアフリカ貿易投資促進ファシリティ」*2(JBIC Facility for African Investment and Trade Enhancement:通称「FAITH」)を創設しており、本件はFAITHの下での支援案件となります。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業による水関連ビジネスの海外展開を金融面から支援していきます。
注釈
- *1 約0.6nmの孔をもつ半透膜。強い圧力をかけて海水をRO膜に通すことで海水に含まれるナトリウムイオンや塩素イオンは透過させず、水分だけを得ることができます。
- *2 2013年6月3日付お知らせをご参照ください。