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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:前田 匡史)は、本日、JBICの2021年度業務実績を以下のとおり公表しました。なお、地域別や金融目的別の実績、過去5年間の推移などについては、別添資料をご参照ください。
I. 出融資・保証業務
- 2021年度のJBICの出融資・保証承諾額は、前年度比20.5%減の約2兆655億円となりました。
- 2022年3月末時点の残高は、出融資残高が約15兆1,464億円、保証残高は約1兆7,248億円、合計約16兆8,713億円となりました。
II. 業務上の主な取り組み
新型コロナウイルス感染症への対策として、「成長投資ファシリティ」の下に2020年4月に創設した「新型コロナ危機対応緊急ウインドウ*1」を活用し、2021年12月末まで、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた日本企業の海外事業を支援しました。
また、2021年1月に創設した「ポストコロナ成長ファシリティ*2」を通じて、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図るため、日本企業による脱炭素社会に向けた質の高いインフラの海外展開やサプライチェーン強靱化の支援に取り組みました。
1.日本にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進への取り組み
資源の多くを海外輸入に頼る日本にとって、自主開発比率向上による中長期的な資源の安定確保・開発を進めていくことは重要な課題です。JBICは、資源の上流権益の獲得、調達先の分散化、資源国との関係強化等を通じて、資源の長期安定的な確保に金融面から貢献しています。2021年度においては、資源分野での取り組みとして、計9件、総額約6,535億円の融資承諾を実施しました。
具体例として、JBICは、日本企業が参画するベトナムにおけるオキシ塩化ジルコニウム等の製造・販売事業に必要な資金を融資しました。
2.日本の産業の国際競争力の維持及び向上への取り組み
日本企業の海外展開を支えるため、JBICは様々な金融手法を活用しながら、日本企業による海外市場獲得・サプライチェーンの維持・強化の支援に取り組み、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献しています。この分野における2021年度の出融資・保証承諾は、計144件、総額約8,495億円となりました。
(1)日本企業の戦略的な海外事業活動を支援
日本企業による英国のアナログ半導体企業や米国のコンビニエンスストア事業等の買収に必要な資金を融資し、海外M&Aを支援しました。また、ベトナムにおける医療機器等の製造・販売事業や米国における人工構造タンパク質素材の製造事業等、日本企業が参画する事業向けに融資を行ったほか、米国シリコンバレーを中心とした先端技術を有する企業を投資対象とするファンドに対して日本企業と共同で出資を行いました。
(2)中堅・中小企業の海外事業展開を支援
JBICは、日本の中堅・中小企業の海外事業展開支援を目的として、メキシコにおける自動車部品等の製造・販売事業及びインドネシアにおけるリサイクルアスファルト混合物の製造・販売事業等、日本の地域金融機関との協調により、計116件、総額約166億円の融資・保証承諾を行いました。また、地域金融機関と連携し、中堅・中小企業の海外事業展開支援に資する情報発信等を多数行いました。
3.環境関連分野での取り組み
地球環境保全業務(GREEN)*3においては、サウジアラビアの送配電セクターにおける低炭素化を支援するために必要な資金を融資したほか、開発途上国の再生可能エネルギー発電事業等を投資対象とするファンド及び全世界の水素関連事業を投資対象とするファンドに対して出資を行いました。この分野における2021年度の出融資・保証承諾は計6件、総額約954億円となりました。
また、脱炭素社会に向けた質の高いインフラの海外展開やその他海外事業活動を支援することを目的として、日本企業が出資参画する米国での水素ステーションの建設・運営事業等に対して融資しました。
4.その他の取り組み
現地通貨建て*4出融資の取り組みとして、日本企業が出資するコイルセンター事業をインドルピー建てで支援したほか、常温倉庫運営事業をタイ・バーツ建てで支援する等、計47件、約1,099億円相当の現地通貨建て出融資承諾を行いました。
2021年度の成長投資ファシリティの融資・保証承諾実績は、計174件、総額約1兆3,651億円、ポストコロナ成長ファシリティの出融資・保証承諾実績は、計22件、総額約5,634億円となっております。
〔別 添〕
1. 出融資・保証総括表
2. 地域別・金融目的別承諾額
3. 国際協力銀行業務概況(過去5年間の推移)
注釈
- *1
2020年5月1日付お知らせをご参照ください。
- *2
2021年1月29日付お知らせをご参照ください。
- *3
2018年7月2日付お知らせをご参照ください。