- 地域: 中南米
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本クレジットラインは、ペトロブラスおよびその子会社がブラジルで実施する脱炭素・エネルギートランジション・環境関連事業に必要な資金を融資するためのものです。
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ペトロブラスは、低コストかつ低炭素で事業を運営する世界最大級の石油・天然ガス生産者であり、ブラジル政府が過半数の議決権株式を保有する国営石油会社です。2050年までに持続可能性およびエネルギー転換に重点を置く企業として認知されることを目指すとともに、従来の石油・天然ガス事業に加え、バイオ燃料精製事業等の低炭素事業に取り組み、多角的かつ統合されたエネルギー企業を目指す計画を掲げています。
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ブラジル政府は2050年までのネットゼロを掲げ、環境・気候変動対策を最重要課題の一つとして位置付けています。ブラジルは、米国に次ぐ世界第2位のバイオエタノール生産国であり、同国のバイオエタノールは、国際市場において高い競争力を有しています。ブラジルが持つバイオ燃料・合成燃料等に関する高いポテンシャルと、日本のハイブリッドエンジンをはじめとする高性能なモビリティ機器等、両国の強みを結び付け、世界のカーボンニュートラル実現を目指す新たな国際枠組み「ISFM(Initiative for Sustainable Fuel and Mobility)」が両国間で設立されるなど、環境・脱炭素分野での連携強化の方針が掲げられています。また、本年9月には大阪・関西万博と連携し、ブラジルと日本が共同議長を務める形で「持続可能燃料閣僚会議」を初めて開催しました。同会議では、34の国・機関が集まり、バイオ燃料等の持続可能燃料は、温室効果ガス(以下「GHG」)排出削減に加え、エネルギー安全保障、経済成長、雇用創出への貢献といった観点から重要な役割を果たすとして改めて確認されました。本クレジットラインは、ISFMの枠組みを含む両国の連携強化に資する分野や脱炭素社会の実現に向けたペトロブラスの取り組みを支援するとともに、日本企業とペトロブラス等との間の協業機会の創出を目指しています。これにより、我が国の経済・国家安全保障に資するとともに、両国が目指す脱炭素社会の実現に寄与することが期待されます。
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JBICは、2024年6月に公表した第5期中期経営計画において、カーボンニュートラルと経済発展の統合的実現への貢献を取組目標に掲げています。また、2021年10月にESGポリシーを公表し、2030年までの自らのGHG排出量ネットゼロの達成、2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの達成を追求するとともに、新興国・途上国における脱炭素社会の実現に向けたエネルギートランジションを加速させ、世界全体でのカーボンニュートラル実現に貢献できるよう取り組んでいます。本クレジットラインは、こうしたJBICの中期経営計画やESGポリシーに沿った取り組みです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、こうした海外の政府や政府機関とも緊密に連携し、日本企業の事業機会創出・ビジネス促進を金融面から支援するとともに、世界的な気候変動対策や社会課題の解決に取り組んでいきます。

注釈
- *1
2018年7月2日付お知らせをご参照ください。
- *2
JBICは、ペトロブラスとの間で脱炭素・エネルギートランジション等の分野における協力関係強化に関する覚書を締結しています。詳細は2025年3月26日付プレスリリースをご参照ください。





