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エクイティファイナンス部門

JBICは、2016年10月にエクイティファイナンス部門を設立して以来、出資業務の強化を図っています。日本政府の成長戦略の柱の一つである海外の成長市場の取り込みにおいて、重要性が増しているリスクマネー供給強化に対応すべく、海外向け投資ファンドへの助言を行う株式会社JBIC IG Partners(JBIC IG)を設立するなど、JBICグループとして出資機能の強化を図るとともに、海外M&A向け等の出資案件の組成に取り組んできました。

2018年に発表した第3期中期経営計画(2018~2020年度)においては、強み・特性に裏打ちされたリスク・テイク機能の拡充・強化を基本方針の一つとしつつ、成長分野・新領域やM&Aを重点取組分野に掲げており、こうした分野における出資業務を通じたリスクマネーの供給が求められています。

今後も中期経営計画の下、出資業務を通じて日本企業の海外展開を積極的に支援していきます。

エクイティファイナンス部門長藤野 真司(常務執行役員)

事業環境と重点課題

成長分野・新領域への事業展開と海外M&A

日本企業の近年の海外展開においては、イノベーション推進のための取り組みが進められる中、新たな技術・ノウハウを獲得する手段として海外M&Aを活用する動きが顕著になっています。IoT、AI等の技術革新により、日本の産業界は、第四次産業革命と呼ばれる大きな構造転換の過渡期にあります。日本政府の施策である「未来投資戦略2018」(2018年6月15日閣議決定)においても、既存の組織や産業の枠を越えて、技術と人材、データと現場の新たなマッチング等を通じたオープンイノベーション、社会変革の飛躍化が今後の日本の成長において不可欠であるとされています。グローバル市場においては、米国や中国などのプラットフォーマーと呼ばれる企業の台頭にも見られるような既存産業の垣根を越えた競争、革新的な技術に係る市場獲得競争がより一層激しくなることが見込まれ、日本の産業界においてもイノベーション促進に向けた戦略的な取り組みが喫緊の課題となっています。

また、日本企業による海外市場の獲得・需要取り込みを目的としたM&Aは、日本の少子高齢化や労働人口減少といった構造的な課題を背景に、その重要性は益々増大しています。熾烈な海外市場の獲得競争に晒される中、日本企業がスピード感を持った成長を実現していくうえで、海外M&Aは重要な選択肢の一つとして定着し、2018年の日本企業による海外M&A件数(In-Out)は、過去最多件数(777件)を更新*1しており、今後も日本企業のM&Aニーズに対応した資金供給を継続することが重要です。

JBICとしても、このような外部環境の変化を適切に踏まえ、日本企業の成長分野・新領域における取り組みやM&Aの支援のため、JBICによる直接出資およびJBIC IGの機能も活用したファンド向け出資を活用していきます。

株式会社JBIC IG Partners(JBIC IG)概要

JBIC IGは、JBICと(株)経営共創基盤(IGPI)が2017年6月に設立した投資アドバイザリー会社です。日本の政策金融機関であるJBICの国際金融に関する知見と、IGPIの長期的・持続的な企業価値・事業価値の向上を目的としたハンズオン型成長支援および投資事業に関する知見を組み合わせ、海外における事業機会を開拓し、規律ある投資を通じて、日本の産業界と投資家に長期的・持続的な価値を提供することを目的とした会社です。

JBIC IG Partnersとは
JBIC IG Partnersは、JBICとIGPIが設立した投資アドバイザリー会社です。

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JBIC IGのビジネスモデル

JBIC IGは、海外のパートナーと連携し、組成するファンドに対し投資助言を行うことを通じ、海外企業に出資を行っています。日本企業との共同投資や、日本企業と海外企業の橋渡しとしての役割を企図しています。

最初の取り組みとしてロシア直接投資基金との間で共同投資枠組みを創設したほか、2019年1月にはバルト地域最大のファンドマネージャーであるASBaltCapとの間でベンチャーキャピタルファンドを創設しました。今後も、新たなファンドの組成を通じ、日本の産業界に付加価値を提供していきます。

JBIC IG Partnersの投資ストラクチャー概要
JBIC IG グループとして、海外のパートナーと連携し、組成する海外投資ファンドを通じて、海外企業に出資を行っていきます。

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JBICの取り組み

JBICの出資機能の強化

日本企業によるオープンイノベーションの推進・海外の技術獲得に向けた支援

equity03.jpgヘルシンキでのファンド紹介イベントの様子

ファンドを通じて、日本企業によるオープンイノベーションを支援するため、北欧・バルト地域の先端企業を投資対象とするベンチャーキャピタルファンドであるJB Nordic Fund I SCSp(JB Nordic)に出資を行いました。

北欧・バルト地域は、複数のユニコーン企業(10億米ドル以上の企業価値を持つ未上場企業)の存在や旺盛な起業家精神等を背景に、世界でも有数のスタートアップ・ハブとしての地位を確立しつつあります。この点に着目し、JBIC IGはバルト地域最大のファンドマネージャーであるAS BaltCapと共同でJB Nordicを組成しました。JB Nordicには、JBICのほか、戦略投資家としてオムロン(株)、パナソニック(株)*2および本田技研工業(株)が出資しています。JB Nordicは、北欧・バルト地域の先端企業向け投資を行うとともに、投資家である日本企業と現地企業との事業提携や日本企業による先端企業への投資機会を提供し、日本企業を戦略面で支援します。

また、JBICは(株)電通と共同で、英国法人Perform Group Limited(Perform)に出資を行いました。Performは、スポーツに関連するデジタルコンテンツの配信事業等をグローバルに展開しており、電通はPerformへの出資を通じて、スポーツ事業に加え、デジタル技術の活用によってグローバルな広告事業の強化等を図る方針です。

さらに、JBICはJX金属(株)がそのドイツ法人を通じて、ドイツ法人H.C. Starck Tantalum and Niobium GmbH(HCS TaNb社)の全株式を取得するに際し出資によりその買収を支援しました。HCS TaNb社は、日本のエレクトロニクス産業等において広く活用されるレアメタルの一種であるタンタル・ニオブの製品(高純度金属粉)の開発、製造および販売事業を展開する世界有数の企業であり、高い技術力およびマーケティング力を背景とした優れた製品群を有しています。本件は、JX金属が企図するHCS TaNb社の高い技術力およびマーケティング力を活かした電材加工事業の収益基盤の確立・強化に貢献するものです。

出資による重要資源の確保支援

equity04.jpgVREC新工場完成予定図

JBICは、日本企業の海外事業展開および鉱物資源の安定確保を出資により支援する目的で、第一稀元素化学工業(株)(DKKK)等が出資するベトナム法人Vietnam Rare Elements Chemical Joint Stock Company(VREC)に出資しました。

DKKKは、自動車排気ガス浄化用触媒などのセラミック製品の主原料であるジルコニウム化合物の生産量で世界トップクラスのシェアを有しています。本件は、DKKKがVRECを通じて、ジルコニウム化合物の原料であるオキシ塩化ジルコニウム等を製造し、日本へ輸出するために必要な資金の調達を、JBICが出資により支援するものです。

DKKKによるベトナムでの事業展開のサポートのみならず、オキシ塩化ジルコニウムの調達を支援することで、戦略的に重要な鉱物資源であるジルコニウムの安定確保にも貢献します。

出資による支援実績

JBICは、これまで「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(2013年1月11日閣議決定)を踏まえ、2013年2月に創設された「海外展開支援出資ファシリティ」の下、JBICの出資機能を活用したリスクマネー供給を通じ、日本企業の海外における経済活動のさらなる拡大やグローバル経済の成長力の取り込みに向けた取り組みを支援してきました。本ファシリティにおける実績は、2019年6月末時点で約2,505億円となりました。

 

注釈
  1. *1出典:レコフM&Aデータベース
  2. *2パナソニック(株)は、同社子会社を通じて投資を行っている。
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