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インフラ・環境ファイナンス部門

部門の概要

  • 日本産業の国際競争力維持・向上のため、インフラ・環境分野における海外事業展開を支援
  • 地球環境の保全を目的とする海外における事業の支援
  • インフラ・環境ファイナンス部門の出融資・保証実績:約2.6兆円(過去5年、80件)

インフラ・環境ファイナンス部門は、日本企業の高い技術を用いた「質の高いインフラ」の海外事業展開の推進および地球環境の保全を目的とする海外事業の支援を、主な業務としています。

電力・新エネルギー第1部、電力・新エネルギー第2部および社会インフラ部で構成されている当部門は、安全で安心なデジタル化社会の実現に向けた信頼性の高いインフラ事業展開の支援に取り組んでいます。さらに、持続可能な未来を実現させるため、脱炭素化と経済成長の両立やエネルギー安全保障を重視する各国のニーズに応じた、現実的な脱炭素プロセスの道筋を日本企業と「共創」しています。

強み

  • グローバルネットワークを背景とする多国間連携の中でのコーディネーション能力
  • 革新的技術等、金融の枠を超えたナレッジの蓄積
  • 公的ステータスを活かしたプロジェクト実施国との信頼関係に基づく課題解決力

外部環境認識

現在、自由貿易から保護主義への連鎖が進み、グローバルな価値観の分断が深まるとともに、グローバルサウスの台頭により世界的な多極化が進むという地政学的な環境変化が生じています。

グローバルなインフラ市場では、飛躍的に成長を遂げている新興国企業との競争が一層厳しくなってきています。一方、カントリーリスクをはじめとする投資・事業環境に関するリスクは増大し、経済安全保障の確保や国家安全保障の視点も重要となってきています。さらに、GXやデジタルトランスフォーメーション(DX)の分野での社会変革は引き続きその勢いを増し、ホスト国におけるインフラニーズも多様化しています。インフラ市場におけるビジネスチャンスはグローバルに拡大するものの、このような構造変化の中で、日本企業のみでビジネスとして取り込んでいくには、不透明性の高まりに伴い一層の困難が予想されます。

このように世界情勢のあり様が変化する中で、日本に対する期待も高くなっています。ホスト国との緊密な政策対話を通じて多様化するニーズを機敏に捉え、経済安全保障の確保や国家安全保障の視点もふまえ、日本企業も参画し得る予見可能性の高いビジネスを国際社会と協働しながら「共創」していくことが、政策金融機関であるJBICの役割だと考えます。

成長戦略

包括的なアプローチで、持続可能な未来を実現させるために、AZEC構想のもと、エンゲージメントアプローチを積極的に実施したことで、インドネシアでの案件が結実しました。今後は、同様の取り組みをさらに発展させていきます。例えば、大量の電力を必要とするデータセンター事業投資の持続を可能とする電力広域連携網整備支援等です。地球環境保全に配慮し安全・安心なデジタル化社会を実現するには、発電・燃料製造、送電・燃料輸送、消費等のバリューチェーン全体を意識して統合的な低炭素化開発に取り組まなくてはなりません。また気候変動への適応に配慮し、水の確保・ごみ問題への対処等の幅広い社会課題に注力することが重要です。

デジタル化時代において、社会経済活動を支える情報通信インフラ分野への尽力も欠かせません。サプライチェーン全体を俯瞰し、データセンターやモバイルネットワーク、海底ケーブル、衛星通信等の通信インフラ全般について日本企業の革新的技術・事業の海外展開を後押しをし、信頼性の高いインフラ展開を推進します。

また2024年度には、ウクライナ復興および周辺国支援として黒海貿易開発銀行(BSTDB)へのクレジットラインを設定。国際的なさまざまな共通課題に対処し、安定と発展に欠かせないインフラ開発を後押しする上で、あらゆる金融ツールを総動員することが重要であり、日米豪印戦略対話(QUAD)を含む多国間連携の枠組みや国際機関との協調を通じてリスクシェアを図りながら、案件組成を行います。

PROJECT HIGHLIGHT

インドネシア・ムアララボー地熱発電拡張事業に対するプロジェクトファイナンス
―日本企業による再生可能エネルギー発電事業拡大を支援―

インドネシア・ムアララボー地熱発電拡張事業の画像発電能力の拡張とともに、2052年までインドネシア国営電力会社に対して売電する

JBICは、住友商事(株)および(株)INPEX等が出資する合弁会社に対して、ムアララボー地熱発電拡張事業に必要な資金を融資しました。AZECの枠組みをふまえた日本企業の海外インフラ展開とともに、AZECの重要なパートナーであるインドネシアのカーボンニュートラル・脱炭素移行を支援するものです。

ドイツ法人United Internet AGに対する融資
―ドイツにおけるOpen RAN技術による5Gネットワーク基盤構築を通じて日本企業の現地ビジネスを支援―

ドイツにおけるOpen RAN技術による5Gネットワーク基盤構築の画像デジタル分野での信頼性の高いインフラ開発に向け日本企業の海外展開を支援する

JBICは、ドイツ法人United Internet AGに対して、楽天シンフォニー(株)の完全仮想化ネットワーク用ソフトウェア群を活用し、同国のOpen RAN技術による5Gネットワーク基盤構築に必要な資金を融資しました。

ドイツ法人が実施する地熱発電および地域熱供給事業に対するプロジェクトファイナンス
―日本企業の海外事業展開を支援―

ドイツ法人が実施する地熱発電および地域熱供給事業の画像革新技術を用いた日本企業の海外インフラ展開を支援し、欧州域内における安定的な再生可能エネルギー由来の電力・熱供給に貢献

JBICは、中部電力(株)が出資するドイツ法人Eavor Erdwärme Geretsried GmbH & Co. KGに対して、クローズドループ地熱利用技術を初めて商用化した地熱発電事業および地域熱供給事業に必要な資金を融資しました。

国際金融秩序の混乱への対処および地球環境保全を目的とした黒海貿易開発銀行に対するクレジットラインの設定
―ウクライナの復興、ウクライナ・周辺国の気候変動緩和を支援―

黒海貿易開発銀行との調印式の画像BSTDBは、発電・交通等の分野におけるウクライナを含む黒海周辺国向けの融資実績を有する国際金融機関

JBICは、➀ウクライナおよび周辺国における農業や食糧、交通・物流、デジタルインフラおよび医療セクター等を含むウクライナ復興に資する事業、➁BSTDB加盟国内における再生可能エネルギー等を中心とした気候変動緩和に資する事業を支援するために同行との間でクレジットラインを設定しました。

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