地球環境保全業務の下でのアラブ首長国連邦アブダビ国営石油会社（ADNOC）に対する融資
脱炭素及びエネルギートランジションに向けたADNOCの取り組みと日本企業の事業機会創出を促進

• 地域: 中東
• インフラ
• 環境
• 事業開発等金融

1. 株式会社国際協力銀行（JBIC、総裁：林 信光）は、27日、アラブ首長国連邦（以下「UAE」）アブダビ首長国（以下「アブダビ」）のアブダビ国営石油会社（Abu Dhabi National Oil Company（略称：ADNOC））との間で、2024年7月に設定したクレジットライン^*1の下で、融資金額約341百万ドル及び約130百万ドル（いずれもJBIC分）を限度とする個別貸付契約を締結しました。本融資は、いずれも株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行及び香港上海銀行東京支店との協調融資により実施するもので、協調融資総額はそれぞれ569百万米ドル、217百万米ドルです。
     
2. 本融資は、地球環境保全業務（通称「GREEN」）^*2の一環として、ADNOCがUAE及び第三国で実施する、再生可能エネルギー・次世代エネルギー供給に資する事業、及びUAEで実施する、脱炭素及びエネルギートランジションに資する省エネルギー発電・熱供給関連事業に必要な資金をそれぞれ融資するものです。
     
3. ADNOCはアブダビ政府が100%出資する国営エネルギー会社であり、2045年のネットゼロ達成を掲げ、再生可能エネルギーや水素・アンモニアの導入、二酸化炭素回収・貯留（CCS）^*3等の推進により、その事業の脱炭素化に取り組むUAEを代表する機関です。
     
4. 日本の資源戦略上極めて重要な首長国であるアブダビは、再生可能エネルギー源及び二酸化炭素回収・貯留（CCS）に適した地下構造を多く有するなど、脱炭素・エネルギートランジション分野において高い潜在性を有しています。本融資は、世界各国での脱炭素社会の実現に向けたADNOC等の取り組みの支援とともに、UAE及びアブダビ、ADNOCとの関係性を強化することで、日本企業とADNOC及びその子会社との間の協業機会の創出を目指すものであり、両国が目指す脱炭素社会の実現に寄与することが期待されます。
     
5. JBICは今後も、日本の公的金融機関として、さまざまな金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、地球環境保全等の持続可能な発展に向けた取り組みを金融面から支援していきます。
     

注釈

1. *1 
   2024年7月4日付プレスリリースをご参照ください。
2. *2 
   2018年7月2日付お知らせをご参照ください。
3. *3 
   CCS（Carbon dioxide Capture and Storage）は、温室効果ガスとなる二酸化炭素を分離・回収し、深海や地中に貯留する技術です。