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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、本日、メキシコ外国貿易銀行(Banco Nacional de Comercio Exterior, S.N.C., Institución de Banca de Desarrollo、以下「BANCOMEXT」)との間で、総額100百万米ドル(うちJBIC融資分50百万米ドル)を限度とするクレジットライン設定に関する融資契約を締結しました。本件は、シティバンク、エヌ・エイ東京支店(幹事行)および株式会社りそな銀行との協調融資により実施するものです。またJBICは、民間金融機関の融資部分に対し保証を提供します。
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本クレジットラインは、地球環境保全業務(通称「GREEN」)*1の一環として、メキシコ合衆国(以下「メキシコ」)におけるエネルギー効率化事業および再生可能エネルギー事業に必要な資金を、BANCOMEXTを通じて融資するものであり、同行向けには2011年10月以降過去4回にわたりクレジットラインを設定しています*2。また、JBICとBANCOMEXTは、2024年11月に、メキシコが抱える電力セクターや脱炭素・省エネ等の社会課題や水素・アンモニア分野の案件形成等に対して、日本企業の投資および製品・技術の導入によるソリューションを協議するとともに、金融面の支援を通じた同国の脱炭素化・エネルギートランジションの促進を目的とする覚書を締結しており*3、今般の第5次クレジットラインは、同覚書に基づく両行間の協議を踏まえ、設定されたものです。
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BANCOMEXTは、メキシコの外国貿易促進や外国資本導入を目的とする政府系金融機関であり、メキシコ政府による環境への取り組みを踏まえた支援を展開しています。JBICとBANCOMEXTは、日本からメキシコ向けの機器等の輸出や同国における産業投資、輸出振興等に対する融資を通じて30年以上にわたり緊密な協力関係を構築しています。また、メキシコ政府は、パリ協定に基づく気候変動対策計画である「Nationally Determined Contributions(NDC)」において温室効果ガス(GHG)排出削減量目標を2030年までに、ベースシナリオ比で35%~40%削減することを掲げています。また、2024年11月の国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)においては、2050年までにGHG実質排出量をゼロにするとの公約を発表するなか、2025年4月に公表したNational Development Plan 2025-2030における4つの柱の一つとして「持続可能な開発」を掲げ、その中で再生可能エネルギープロジェクトの開発促進、送電網の拡充および省エネの取り組みを推進しています。本件はメキシコ政府のこのような取り組みに貢献するものです。
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JBICは、2024年6月に公表した第5期中期経営計画において、カーボンニュートラルと経済発展の統合的実現への貢献を取組目標に掲げています。また、2021年10月にESGポリシーを公表し、2030年までの自らのGHG排出量ネットゼロの達成、2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの達成を追求するとともに、新興国・途上国における脱炭素社会の実現に向けたエネルギートランジションを加速させ、世界全体でのカーボンニュートラル実現に貢献できるよう取り組んでいます。本融資は、こうしたJBICの中期経営計画やESGポリシーに沿った取り組みです。加えて、メキシコには、高効率な産業用蒸気ボイラーや冷却・冷蔵設備、業務用大型空調等の省エネ機器製造に強みを有する日本企業が複数進出しており、本件を通じて当該分野への支援を行うことは、当該分野において高いプレゼンスを有している日本企業および今後の市場拡大を見据えて新規分野への参入を企図している日本企業の事業展開支援に資するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、海外の政府系金融機関や地域金融機関を含む民間金融機関と連携しつつ、さまざまな金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じ、地球環境保全に向けた取り組みを金融面から支援していきます。
注釈
- *1
2018年7月2日付お知らせをご参照ください。
- *2
- *3
2024年11月11日付プレスリリースをご参照ください。





