2008年5月に横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)にて、日本政府より、日本からアフリカへの投資倍増等へ向け、JBICを活用した具体的なアフリカ支援策が表明されました。*1TICAD IVから約1年が経過したところ、TICAD IV以降のJBICのアフリカ支援につきご紹介します。
金融支援
TICAD IV以降の承諾実績
TICAD IVにて「JBIC全体でアフリカ向けに今後5年間で総額25億ドルの金融支援(出融資・保証)を実施する」旨、日本政府より表明されました。2009年5月31日現在、JBICは日本企業のビジネスやアフリカ諸国の成長を支援すべく、TICAD IV以降、アフリカにおけるインフラ整備や資源開発関連プロジェクト等、約10億97百万ドル相当のアフリカ向け金融支援を承諾致しました。
(参考)TICAD IV以降アフリカ向け主要案件
年月 | 対象国 | 概要 |
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2008年7月 | 南アフリカ | 鉱物資源(レアメタル)生産地域である南アフリカ北東部州での送配電網敷設プロジェクト向け融資及び保証 |
2008年9月 | エジプト | エジプト洋上での天然ガス田開発等プロジェクトに対する本邦企業の掘削リグ投資事業向け融資 |
2009年3月 | 南アフリカ | 南アフリカ進出日系企業が利用する同国南部ダーバン港の港湾拡張プロジェクト向け融資及び保証 |
アフリカ投資ファシリティ創設
日本企業のアフリカへの進出を支援するために、事業への出資、民間融資への保証、アドバイザリー業務等を積極的に行うことができるよう、JBICは2009年4月1日、「JBICアフリカ投資ファシリティ(アフリカ投資倍増支援基金)」*2を創設致しました。
国際機関との連携・知的支援
アフリカ開発銀行との連携
2008年7月28日、JBICはアフリカ開発銀行(AfDB)と共に「アフリカ開発銀行の民間セクター開発支援ワークショップ」を共催し、アフリカにおける民間セクター開発及び日本企業のビジネス機会等を紹介しました。
また、2009年5月14日、JBICはAfDBとの間で、日本とアフリカ諸国の双方にとって重要な天然資源・エネルギー開発、再生可能エネルギー開発、民間セクターの投資環境改善に資するインフラ整備、及び貿易促進プログラム等における金融面での両者の協力を強化するための覚書を締結しました。*3
Blue Book
JBICはアフリカの投資環境改善のための政策提言書”Blue Book”を作成し、アフリカ諸国政府に対し手交*4しています。現在、2009年夏の手交を目指しナイジェリア向けBlue Bookを作成中であり、2009年3月にはナイジェリアで政府関係者や現地進出日本企業を招聘し、提言内容に係るワークショップを開催致しました。
今後のアフリカ向け取り組み
JBICは2008年7月に新設されたアフリカ室を中心に関係各機関との協力関係を深めつつ、日本企業のアフリカ向け貿易・投資活動等を促進し、アフリカ諸国の民間部門の成長を支援していきたいと考えております。また、昨今の世界的な金融危機のアフリカへの影響が懸念されているところ、アフリカ投資ファシリティに加え、環境投資支援イニシアティブ*5や貿易金融支援策等、JBICとして打ち出している様々な金融ツールを活用して、引き続きアフリカ支援に積極的に取り組んでまいります。
- *1 国際協力銀行(国際金融等業務)のアフリカ支援策について
- *2 会計上の勘定や基金を設けるものではなく、事業管理上の整理を行うもの。
- *3 アフリカ開発銀行と協力関係強化のための覚書を締結
- *4 JBICはこれまでに、アフリカにおいて、ケニア・ウガンダ・タンザニア、ガーナ、ザンビアの5カ国向けに、Blue Bookを作成。
- *5 環境投資支援イニシアティブについて