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定例記者会見(2021年6月29日)

株式会社国際協力銀行 総裁記者会見

1. 第4期中期経営計画(2021~2023年度)概要 資料:P.3~10

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今般策定した第4期中期経営計画においては、2040年、2050年を見据えたロードマップを意識しています。持続可能な開発・成長、エネルギー移行の加速、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、産業・社会構造が大きく変わっていく中で課題を捉え、政策金融の視点から何に注力すべきかを検討し、練り上げた内容になっています。

今回はJBIC Compass 2.0と題し、「海図なき世界情勢の中で、日本の力で未来を築く『羅針盤』でありたい。」という中長期ビジョンを掲げました。こうしたビジョンの下、SDGs・脱炭素社会の実現に向けたイノベーション、不可逆的に進展するエネルギー変革(Energy Transformation)やデジタル変革(Digital Transformation)を見据え、6つの重点取組課題を設定しています。

業務分野については、地球規模の課題への対処、産業・社会構造の変革期における我が国産業の国際競争力の強化支援、地経学的な要素を反映した質の高いインフラ海外展開に向けた戦略的取組の推進、そして経済情勢の変化に即応した政策金融機能の発揮という4つ、組織分野では、外部環境の変化に対応する業務体制の整備及び新常態に対応する効率的な組織運営という2つを重点取組課題としています。

これらの重点取組課題に対する取組目標として、(1)地球規模の課題への対処では、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー変革、ジェンダー不平等などを含む社会的課題の解決に資する事業に対する支援を進めていきます。(2)我が国産業の国際競争力強化支援では、サプライチェーンの強靱化・再構築への対処を含めていますが、これは外的影響を受けた際に耐えうる力であるResilience(強靱化)と、その先に進んで外的影響による変化を阻止するRobustness(頑強性)の2つを意識しています。加えて、デジタル変革に向けた我が国企業のM&Aや技術獲得の支援にもさらに取り組んでいきます。(3)質の高いインフラ海外展開では、国際的な舞台で活動する日本企業を強く支援していくもので、日米豪やQUAD等の多国間連携、そしてIFC等の国際金融機関等との連携を通して対応していきます。(4)経済情勢の変化に即応した政策金融機能の発揮に向けては、コロナ禍の影響を受けた海外事業に対する機動的対応、政策的重要性の高い国・地域に対する地経学的な意味合いを反映した戦略的取組、中堅・中小企業支援を含む政策金融機関としての業務の着実な実施、リスクテイク機能の強化、民間資金導入の更なる推進を挙げています。先般英国Cornwallで開かれたG7サミットにおける共同声明においても民間資金動員が記載されている他、米バイデン政権も民間資金を導入していく方針を示しており、パートナーである米国国際開発金融公社(USDFC)の機能強化も進展する見込みです。

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組織分野では、ビジネス環境・顧客ニーズの変化に即した業務体制の整備、LIBORに代わる新しい金利指標改革、現地コンサルタントを適切に活用しながら行うバーチャル環境実査等のウィズコロナ/ポストコロナ下における適切かつ効率的な審査・与信管理など、業務体制の整備を行っていきます。また、組織運営においては、新常態に対応するデジタル環境の整備や多様な職員の能力と活力を引き出す人材育成と働き方改革の推進、これは例えばポストコロナ下でも出勤率を50%程度目安にするなどの様々な方法を考えている他、コンプライアンス態勢の実効性強化を推進していきます。

業務分野における4つの重点取組課題をより詳しく説明すると、まず(1)地球規模の課題への対処については、ポイントとして、グリーンファイナンス、トランジションファイナンス、ソーシャルインパクトファイナンスの3つの言葉を掲げています。グリーンファイナンスは長期的な目標として置いており、例えば不安定な再生可能エネルギーを調整する技術や、再生可能エネルギー由来のグリーン水素の普及に取り組んで参ります。トランジションファイナンスは、あくまでグリーンファイナンスに向けた過程という認識の下、アンモニア混焼等をサポートしていくものです。ソーシャルインパクトファイナンスは、例えばヘルスケア分野でのワクチンや、上下水道、分散型電源等の基礎的インフラ設備、海洋プラスチックごみ対策、フードバリューチェーンといった、幅広い社会的な課題に対するファイナンスです。

(2)産業・社会構造の変革下における我が国産業の国際競争力強化支援においては、国際的なサプライチェーンの強靱化・再構築を一つの目標としています。具体的な取組例としては、2020年10月、日系自動車メーカーの裾野産業支援の観点から、インドステイト銀行を通じて現地部品メーカー及びディーラーによる製造・販売事業等に必要な資金として総額10億米ドルを融資しました。今後もこのように、同盟国とも連携しつつ、我が国企業による海外向け新規設備投資や現地裾野産業、海外の産業集積地におけるインフラ整備など、サプライチェーン全体の強靱化を支援していきます。2つ目の目標はデジタル変革等に向けた我が国企業のM&A・技術獲得への支援です。一例として、昨年日立製作所によるスイスのパワーグリッド事業の買収に対して融資しました。需要地から遠くに位置する再生可能エネルギー源からロスなく送電を行う高圧直流送電技術を有する企業とのM&Aを通じて、日本企業が先進的な技術・ノウハウを獲得することを支援するものです。

(3)質の高いインフラ海外展開について、弊行はBlue Dot Networkを通して、債務の持続性、透明性等の高い基準に合致しているかを認証する仕組みづくりにも参加しています。今後も我が国企業によるコア技術の活用やO&M等への継続的関与などによる積極的な支援を進めていきます。具体的取組として、2021年1月には、USDFCと新たな覚書を締結し、協力分野及び協力地域を拡大、第三国との連携も確認しています。また、3月には、中国電力と共に、フィジー法人Energy Fiji Limited(EFL)の発行済株式の44%をフィジー政府から取得しました。これは、フィジー政府が国家開発計画において掲げる「2036年までに発電の全量を再エネ化」という目標に基づき、EFLが進める水力や太陽光等の再エネ拡大を支援するもので、先般のパラオ海底ケーブル案件に続く、南太平洋地域での戦略的な取組でもあります。

(4)経済情勢の変化に即応した政策金融機能の発揮においては、危機対応緊急ウインドウに基づく融資、多国間連携による取組やアフリカ向け事業支援、中堅・中小企業の海外進出支援、特別勘定の活用等によるリスクテイク機能の強化、民間資金動員のさらなる推進を含めています。

2.最近の特徴的な取り組み 資料:P.11

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最後に、最近の特徴的な取り組みとして、2021年3月に行ったアラブ首長国連邦における廃棄物処理・発電事業をご紹介します。本件はドバイ首長国初かつ世界最大規模の廃棄物処理・発電プロジェクトであり、同国の埋立廃棄物の削減に寄与するもので、協調融資総額約927百万米ドルのうち、JBICは約452百万米ドルを融資します。EUタクソノミーにおいて、廃棄物発電は対象分野に入っておりませんが、こうしたプロジェクトを社会実装することで、日本企業の技術力を発揮できる分野を拡大し、気候変動対策を先導するEUに対してもその優位性を示すことにもつながることが期待されます。

記者会見等