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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、本日、2025年度第3四半期(10~12月)の業務概況について、以下のとおり公表しました。なお、金融目的別の承諾額等については、別添資料をご参照ください。
Ⅰ.出融資・保証業務
1.承諾状況
2025年度第3四半期の出融資・保証承諾は、計42件、約3,878億円となりました。
2.実行・回収・残高状況
2025年度第3四半期の実行額は約5,343億円、回収額は約1兆1,821億円であり、その結果、同期末残高は、出融資計約15兆2,444億円、保証約1兆3,956億円、合計約16兆6,401億円となりました。
Ⅱ.主な取り組み
1.持続可能な未来の実現
JBICは、さまざまなステークホルダーと共に、世界共通の課題であるカーボンニュートラルの達成やホスト国の抱える社会課題の解決を通じ、持続可能な未来を実現することに貢献しています。
- ウズベキスタンにおける太陽光発電および蓄電事業2案件に対するプロジェクトファイナンス(JBIC融資額:約635百万米ドル(2案件合計))
本融資は、日本企業が出資者として事業参画し、長期にわたり運営・管理に携わる再生可能エネルギー事業を金融面から支援することで、日本企業およびウズベキスタンの脱炭素に向けた取り組みに貢献するとともに、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。また、中央アジアは地政学上の重要性を増しており、日本の官民で脱炭素を後押しし、経済関係を深める点でも重要な案件です。 - サウジアラビアの陸上風力発電事業案件に対するプロジェクトファイナンス(JBIC融資額:約152百万米ドル)
サウジアラビア政府は、再生可能エネルギーによる発電容量を2030年までに最大130GWとし、エネルギーミックスの50%を再生可能エネルギーで賄うことを目指す中、本融資は同政府の脱炭素政策に沿うものです。また、日本にとって重要な原油輸入先の一つであるサウジアラビアとの重層的な経済関係強化を通じたエネルギー・安全保障の確保に貢献します。
2.我が国産業の強靱化と創造的変革の支援
JBICは、エネルギー安全保障やサプライチェーン再構築などによる経済安全保障の確保、スタートアップを含む革新的技術・新事業の展開、中堅・中小企業の海外展開への支援を通じ、我が国産業の強靱化と創造的変革に貢献しています。
(1)我が国の国益に資する戦略的なバリューチェーン/サプライチェーン強靱化
以下の融資を通じて、各産業・分野のサプライチェーン強靱化を支援しています。
- アルミニウム製錬事業者であるブラジル法人に対する融資(JBIC融資額:85,750千米ドル)
現在、日本はアルミニウム地金の全量を海外からの輸入に依存しています。本融資は、ブラジルの製錬事業会社の老朽化対策等のための設備投資を支援することで、同社のアルミニウム地金産出量の維持に資するものであり、日本にとって重要な資源の長期的な安定確保に貢献します。 - インド地場金融機関に対する、日系農機メーカーのサプライチェーンを構築する現地サプライヤーおよびディーラーが実施する製造・販売事業等に必要な資金の融資(JBIC融資額:60百万米ドル)
日系農機メーカーは販売台数ベースで世界最大規模を誇るインド農機市場を重要拠点と位置づけています。本融資は日系農機メーカーのサプライチェーン強靱化、同国における農業近代化に貢献します。 - 日本企業によるオランダ法人の買収に必要な資金の融資(JBIC融資額:1,350億円)
被買収企業は化学産業の集積地である欧州および米国湾岸地域でケミカルタンクターミナルを運営する業界大手の企業です。本買収によって、日本企業はケミカル製品のサプライチェーン全体をカバーする体制を構築することが出来ます。本融資は、日本企業の海外でのM&Aを金融面から支援することを通じて、日本の海運事業の国際競争力の維持・向上に貢献します。
(2)革新的技術・事業の展開支援
以下の融資を通じて、革新的技術・事業の展開を支援しています。
- ナイジェリアにおいて日本の中堅・中小企業が実施する3Dプリント義足等の製造・販売事業に対する融資(JBIC融資額:10百万円)
本事業は、独自開発の3D設計ソフト、3Dプリンタ機器・材料、AIを用いて、従来に比べ、より低コストかつ効率的に義足の製造し、販売するものです。本融資は、日本の産業の国際競争力の維持・向上に資するものであり、ナイジェリアにおける義足の供給不足という社会課題の解決にも貢献します。
(3)グローバルに活躍する中堅・中小企業の海外展開支援
- 日本の中堅・中小企業の海外事業展開支援を目的として、計32件、約37億円の融資・保証承諾を行いました。
- また、2024年度より取り組んでいる「地域金融機関の海外事業モニタリング支援枠組み」に基づき、地域金融機関との間で中堅・中小企業の海外事業の現地モニタリング情報の提供等に関する覚書を計4件(2024年12月以降、累計17件)締結しました。
- 個別案件:ベトナムにおいて日本の中堅・中小企業が実施する小型精密機械部品の製造・販売事業に対する融資(JBIC融資額:30千米ドル)
本融資は、日本の中堅・中小企業の海外事業展開支援を通じて、日本の産業の国際競争力の維持・向上およびベトナムにおける日本企業のサプライチェーン強靱化に貢献します。
3.戦略的な国際金融機能の発揮による独自のソリューション提供
JBICは、多国間連携や特別業務を含むリスクテイク機能等の独自のソリューションを活用し、対外経済政策実現を後押ししています。
- ウクライナ・周辺国における取り組みの一例:ポーランド政府系金融機関が日本で発行する私募債形式の円建て外債(サムライ債)の一部取得(サムライ債総額:473億円)
本サムライ債は、中東欧最大の難民受入国であるポーランドにおいて、同国政府系金融機関が立ち上げ、ウクライナ避難民向けの医療・教育・住宅施設等、人道支援に資金拠出を行う「ウクライナ支援基金」への払い込みを目的に発行されるものです。 - AZEC関連の取り組みの一例:シンガポールにおいて日本企業が実施するFSRU傭船事業に対するプロジェクトファイナンス(JBIC融資額:約189百万米ドル)
本融資は、シンガポールにおける初のFSRU導入を支援することを通じて、同国のLNG受け入れキャパシティの拡大、エネルギー安全保障の確保に貢献します。
4.「日本戦略投資ファシリティ」の創設・開始
- JBICは、2025年10月に「日本戦略投資ファシリティ*1 」を創設し、経済・国家安全保障上の重要な分野における、日本企業の海外展開等を支援することで、日本および投資先国が共に利益を得られる、強靱なサプライチェーンの構築を目指しています。
- 2025年度第3四半期の日本戦略投資ファシリティの融資・保証承諾実績は計30件、約2,430億円となりました。
注釈
- *1
2025年10月1日付お知らせをご参照ください。なお、2022年7月に創設した「グローバル投資強化ファシリティ」は、2025年6月末をもって期限を満了しました。





