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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:前田 匡史)は、17日、アラブ首長国連邦(以下「UAE」)アブダビ首長国(以下「アブダビ」)国営石油会社(Abu Dhabi National Oil Company(略称:ADNOC))との間で、融資金額21億米ドル限度(JBIC分)の貸付契約に調印しました。本融資は、株式会社三井住友銀行(幹事行)、香港上海銀行東京支店、株式会社みずほ銀行、及び株式会社三菱UFJ銀行との協調融資(協調融資総額30億米ドル)によるもので、資源・エネルギーの確保・開発の促進案件です。
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また、本融資に合わせ、JBICは、同日、ADNOCとの間で包括的・戦略的パートナーシップの更なる強化を企図した業務協力協定を締結しました。
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ADNOCはアブダビ首長国(以下「アブダビ」)政府が100%出資する国営石油会社です。本件は、日本企業が原油を長期かつ安定的に輸入するために必要な資金をADNOCに融資するものであり、このような原油の長期安定的確保を目的としたADNOC向け融資は、今回が6回目*1となります。
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アブダビは、過去40年以上に亘る安定的な原油輸入先であり、また利権契約に基づき外資の資源開発事業への参入を認めるなど、日本の資源戦略上、極めて重要な首長国です。また、再生可能エネルギー源やCCS*2/CCU*3に適した地下構造を多く有するなど、脱炭素分野においても高い潜在性を有しており、ADNOCは、こうした分野においてもアブダビを代表する機関です。JBICはこれまでADNOCとの間で、石油・ガス分野や環境分野における業務協力協定*4を累次にわたり更新しながら、その関係の強化を図ってきました。今回の業務協力協定では、地球規模の課題である脱炭素・エネルギートランジション分野やエネルギー効率化分野に焦点をあて、こうした分野におけるADNOCと日本企業による協業を促進することを主な目的としています。
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今回の融資及び業務協力協定は、JBICとADNOCの重層的な協力関係を更に発展させるものであり、水素・燃料アンモニアのサプライチェーン構築に資する案件形成を含め、資源エネルギー戦略上重要なUAE・アブダビとの関係強化に貢献するものです。
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JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業によるエネルギー資源の開発や取得を支援し、日本のエネルギー安定供給確保を金融面から支援していきます。
注釈
- *1
過去の融資については、2007年12月18日付プレスリリース、2010年11月4日付プレスリリース、2013年2月12日付プレスリリース、2016年1月18日付プレスリリース、及び2018年1月16日付プレスリリースをご参照ください。
- *2
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、温室効果ガスとなる二酸化炭素を分離・回収し、深海や地中に貯留する技術です。
- *3
CCU (Carbon dioxide Capture and Utilization)は、温室効果ガスとなる二酸化炭素を分離・回収し、有効活用する技術です。
- *4