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株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:林 信光)は、本日、JBICの2025年度業務実績を以下のとおり公表しました。なお、地域別や金融目的別の実績、過去5年間の推移などについては、別添資料をご参照ください。
Ⅰ. 出融資・保証業務
- 2025年度のJBICの出融資・保証承諾額は、前年度比83%増の約2兆7,521億円となりました。
- 2026年3月末時点の残高は、出融資残高が約16兆1,214億円、保証残高は約1兆4,533億円、合計約17兆5,748億円となりました。
Ⅱ.業務上の主な取り組み
1.持続可能な未来の実現への取り組み
JBICは、さまざまなステークホルダーと共に、世界共通の課題であるカーボンニュートラルの達成やホスト国の抱える社会課題の解決を通じ、持続可能な未来を実現することに貢献しています。
(1)カーボンニュートラルと経済発展の統合的実現への貢献
- 低炭素アンモニア:米国における低炭素アンモニアの製造・販売事業に対する融資 (JBIC融資額:約626百万米ドル)
製造時のCO2排出を抑えた低炭素アンモニアの市場はまだ黎(れい)明期にあります。本融資は、低炭素アンモニアのサプライチェーン構築に必要な長期・巨額の投資を行う日本企業の参画を後押しするものです。 - 再生可能エネルギー: ウズベキスタンにおける太陽光発電および蓄電事業2案件に対するプロジェクトファイナンス (JBIC融資額:約635百万米ドル(2案件合計))
本融資は、日本企業が出資者として事業参画し、長期にわたり運営・管理に携わる再生可能エネルギー事業を金融面から支援することで、日本企業およびウズベキスタンの脱炭素に向けた取り組みに貢献するとともに、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。また、中央アジアは地政学上の重要性を増しており、日本の官民で脱炭素を後押しし、経済関係を深める点でも重要な案件です。 - トランジション・エネルギー(天然ガス・LNG関連):カタールにおける天然ガス火力発電・淡水化事業に対するプロジェクトファイナンス (JBIC融資額:約990百万米ドル)
カタール政府は、再生可能エネルギー発電の普及率を高めつつ、高効率かつ低コストの天然ガス火力の活用により段階的なエネルギートランジションを図る方針であり、本融資は同国政府の方針に沿うものです。
(2)ホスト国との協働による社会課題解決への貢献
- コートジボワール政府発行のサステナビリティボンドに対する保証 (総額500億円の私募債形式の円建て債券に対する保証)
本サステナビリティボンド発行支援は、コートジボワールにおける社会的課題の解決への貢献を通じた同政府とのさらなる関係強化に資するものです。 - ウクライナにおいて日本企業が実施する養豚用システムおよび設備の製造・販売事業に対する融資 (JBIC融資額:10百万円)
ウクライナ政府は、戦争において被害を受けた畜産業の回復を目指しており、本融資は同国政府が掲げる方針に沿った支援です。 - ナイジェリアにおいて日本企業が実施する3Dプリント義足等の製造・販売事業に対する融資 (JBIC融資額:10百万円)
本融資は、医療機器等が普及していないアフリカ地域のひとつであるナイジェリアにおける義足の供給不足の解決に貢献するものです。 - アンティグア・バーブーダにおいて日本企業が実施する小規模分散型水循環システムの製造・販売事業に対する融資 (JBIC融資額:84百万円)
本融資は、島嶼国という性質上、慢性的な水不足に悩む同国における水インフラの整備に貢献するものです。
2.我が国産業の強靱化と創造的変革の支援
JBICは、エネルギー安全保障やサプライチェーン再構築などによる経済安全保障の確保、スタートアップを含む革新的技術・新事業の展開、中堅・中小企業の海外展開への支援を通じ、我が国産業の強靱化と創造的変革に貢献しています。
(1)我が国のエネルギー安全保障の確保・サブライチェーン強靱化への支援
- エネルギー安全保障の確保
- 日本企業による米国天然ガス開発事業者の買収資金を融資 (JBIC融資額:約1,560百万米ドル)
本融資は、日本にとっての重要なエネルギー資源であるLNGの長期安定確保・調達先の多角化に貢献する、我が国のエネルギー安全保障上重要な取り組みです。 - UAEの国営石油会社に対する融資 (JBIC融資額:18億米ドル)
ADNOC向けとしては今回で7回目となる本融資は、日本にとって重要なエネルギー資源であるLNGの長期安定確保・調達先の多角化に貢献し、資源エネルギー政策上重要なUAE・アブダビとの関係強化にも寄与します。
- 日本企業による米国天然ガス開発事業者の買収資金を融資 (JBIC融資額:約1,560百万米ドル)
- 日本企業による海外M&A支援
- 日本の鉄鋼メーカーによる米国法人の株式取得資金を融資 (JBIC融資額:3,700百万米ドル)
本融資は日本の鉄鋼業の国際競争力の維持・向上に貢献するものです。また、鉄鋼は多くの産業の競争力を支える基幹産業である中、そのサプライチェーン強靱化にも寄与します。
- 日本の鉄鋼メーカーによる米国法人の株式取得資金を融資 (JBIC融資額:3,700百万米ドル)
- サプライチェーン強靱化
- 資源(金属):リチウムの探査および開発を実施する豪州法人に対する融資(JBIC融資額:240百万米ドル)
本件は、日本企業のサプライチェーンを支える特定外国法人*1 向けに融資を行うものです。本融資は、豪州法人によるリチウムの生産支援を通じ、日本企業によるリチウムの調達先多角化、ひいては我が国にとって重要な資源の安定確保および日本におけるリチウムサプライチェーンの強靱化に貢献します。 - 送配電網・リチウムイオン電池:
- 日本企業のトルコ法人が実施する変圧器製造工場の移転および増設に対する融資 (JBIC融資額:18百万米ドル)
本融資は、送配電網の整備に不可欠とされる日本企業の変圧器製造を支援することで、電力インフラビジネスにおける日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献し、グローバルな送配電網の整備推進という日本政府の方針に沿うものです。 - 日本企業の米国法人が実施するリチウムイオン電池用有機溶媒の製造・販売事業に対する融資 (JBIC融資額:240百万米ドル)
米国で生産されている車載用リチウムイオンバッテリーで使用されている有機溶媒(DMC・EMC)の全量を米国外からの輸入に依存しています。米国で初めてDMC・EMCを生産開始する日本企業を支援する本融資は、日本の自動車産業および化学産業のサプライチェーン強靱化に資するものです。
- 日本企業のトルコ法人が実施する変圧器製造工場の移転および増設に対する融資 (JBIC融資額:18百万米ドル)
- 資源(金属):リチウムの探査および開発を実施する豪州法人に対する融資(JBIC融資額:240百万米ドル)
(2)革新的技術・事業の展開支援
- スタートアップ投資
JBICは、スタートアップ向け支援に関して、2024年10月にスタートアップ投資体制を強化することを目的に「スタートアップ投資戦略」*2 を策定しています。2025年度に具体的に実現した案件は以下の4件です。 - 次世代エネルギー:カナダにおいて日本企業が実施するフュージョン燃料サイクルシステムの実証設備建設・運転事業に対する融資 (JBIC融資額:10百万カナダドル)
フュージョン(核融合)発電はエネルギー供給と環境問題を同時に解決する次世代エネルギーとして注目されています。本融資は、フュージョン関連技術のグローバルスタンダード構築、各国におけるフュージョンエネルギー市場の創出に貢献するものです。
(3)グローバルに活躍する中堅・中小企業の海外展開支援
- 2025年度では、日本の中堅・中小企業の海外事業展開支援を目的として、計97件、総額約186億円の融資・保証承諾を行いました。
- 個別案件の一例:マレーシアにおいて日本企業が実施する使用済み脱硫触媒からのモリブデンおよびバナジウムの分離回収事業に対する融資 (JBIC融資額:30億円)
本融資は日本の中堅・中小企業の海外事業展開への支援を通じて、マレーシアの循環型社会構築に貢献し、地球環境保全に資する取り組みです。
3.戦略的な国際金融機能の発揮による独自のソリューション提供
JBICは、多国間連携や特別業務を含むリスクテイク機能等の独自のソリューションを活用し、対外経済政策実現を後押ししています。
我が国の対外経済政策の構築・実現に貢献する案件への支援
- アフリカ:TICAD9の機会を捉えた関係強化
- 取組例:サブサハラ・アフリカ地域における液化石油ガス(LPG)事業に対する融資(JBIC融資額:14百万米ドル)
本融資は、サブサハラ・アフリカ地域で家庭用燃料として使用される薪や木炭の生産に伴う森林伐採、温室効果ガス排出増加が課題となる中、木炭等の燃料からLPGへの転換を支援し、持続可能な発展に貢献します。
- 取組例:サブサハラ・アフリカ地域における液化石油ガス(LPG)事業に対する融資(JBIC融資額:14百万米ドル)
- インド:政策課題へのアプローチを意識した案件形成
- 取組例:インドの政府系金融機関を通じたバイオ燃料製造・発電事業に対する融資(JBIC融資額:360億円)
CO2排出量が世界第3位のインドでは、気候変動対策が急務となっています。本融資は、環境負荷が小さい竹材精製バイオエタノールの製造・販売支援を通じ、インドにおける地球環境保全の取り組みに貢献します。加えて、インド北東州の特産品である竹の産業利用を通じて、北東州における一次産業従事者の所得向上に寄与します。
- 取組例:インドの政府系金融機関を通じたバイオ燃料製造・発電事業に対する融資(JBIC融資額:360億円)
- アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の推進に向けた取り組み
- 取組例:タイにおける省エネ関連取組支援を目的とした投資クレジットラインに基づく個別貸付契約2件を締結(JBIC融資額:98,171米ドル限度(2案件合計))
JBICは、日本政府が主導し、アジア各国の実情に即した脱炭素化と経済成長の両立を理念として掲げる「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想の下、2025年4月29日にタイで「AZEC-Smart and Advanced Value-chain for Environment」を立ち上げました。本融資は、同プラットフォームの下でJBICが支援する初めての事例です。 - 取組例:シンガポールにおいて日本企業が実施するFSRU傭船事業に対するプロジェクトファイナンス(JBIC融資額:約189百万米ドル)
本融資は、シンガポールにおける初のFSRU導入を支援することを通じて、同国のLNG受け入れキャパシティの拡大、エネルギー安全保障の確保に貢献します。
- 取組例:タイにおける省エネ関連取組支援を目的とした投資クレジットラインに基づく個別貸付契約2件を締結(JBIC融資額:98,171米ドル限度(2案件合計))
- ウクライナ周辺国向け支援
- 取組例:ポーランドの政府系金融機関発行の私募円建て外債の一部取得(サムライ債総額:473億円)
本サムライ債は、ポーランドの政府系金融機関が立ち上げ、ウクライナ避難民向けの医療・教育・住宅施設等、人道支援に資金拠出を行う「ウクライナ支援基金(Aid Fund)」への払い込みを目的に発行され、ウクライナへの支援となるものです。
- 取組例:ポーランドの政府系金融機関発行の私募円建て外債の一部取得(サムライ債総額:473億円)
4.「日本戦略投資ファシリティ」の創設・開始
- JBICは、2025年10月に「日本戦略投資ファシリティ 」*3を創設し、経済・国家安全保障上の重要な分野における、日本企業の海外展開等を支援することで、日本および投資先国が共に利益を得られる、強靱なサプライチェーンの構築を目指しています。
- なお、2025年度の日本戦略投資ファシリティの融資・保証承諾実績は計84件、総額約1兆8,498億円となっています。
〔別 添〕
1. 出融資・保証総括表
2. 地域別・金融目的別承諾額
3. 国際協力銀行業務概況(過去5年間の推移)
注釈
- *1
詳しくは、2023年10月2日付お知らせをご参照ください。
- *2
JBICのHPにおける「スタートアップ投資」のご案内をご参照ください。
- *3
2025年10月1日付お知らせをご参照ください。





